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2020年東京五輪はどのようなソリューションを世界に提案するのか

2020年問題-成熟社会の産みの苦しみの解決策として

金融調査部 主任研究員 鈴木 文彦

サマリー

◆1964年の東京大会では、これから伸びようとする経済においてオリンピックがどのように成長ブースターの役割を果たせるかを世界に示した。2回目の東京大会では何を世界に提案できるのか。折しも2020年に東京の人口はピークアウトし、どの国も経験していない高齢社会が本格的にはじまる。わが国は来るべき成熟社会の産みの苦しみに直面している。そうした中で、我々は「成熟経済社会をよく生きること」を提案できるのではないか。これには健康に生きること、余暇を充実させて幸せに生きること、知的に賢く生きることの3つの意味があると考える。


◆提案すべきソリューションは準備段階のプロセスにこそある。具体策のひとつは、トップアスリートを発掘、育成し、観るスポーツの充実強化を図ることを通じて、スポーツ文化の裾野を拡大、ひいては国民の健康寿命を延ばし、かつ生活の充実感を得ることである。もうひとつは、オリンピック・パラリンピックにおける施設整備の発想を普遍化し、財政制約、人口減少、高齢化する社会に合わせた施設整備のあり方を確立することである。負の側面に注意するとともに、無形の効果も留意し、多数の主体の面的な広がりを引き起こすような整備方針を策定し、全国に波及させる。


◆オリンピック・パラリンピックは、既にある解決策にストーリーを与え、効果の発現を促進するように働く。成熟社会における課題に対する数々の政策にストーリーを与え、まとめ上げ、国民一丸で前に進める「依り代」の力がある。民間企業も「成熟経済社会をよく生きること」のコンセプトにそってストーリーを組み立てることで、今後の成長戦略に活用することができるだろう。

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