サマリー
◆買収防衛策での国内の機関投資家との議論を通じて感じたことだが、国内の機関投資家が設けた形式基準のハードルが高すぎる例があり、そのことがSSコードにおける対話を妨げ、日本企業のガバナンスを向上させることに繋がらないことを危惧する。
◆GPIFによるエンゲージメントの質的向上に繋がる動きは機関投資家に少なからず影響を及ぼすことになる。そのことで、機関投資家はエンゲージメントを強化する方向に向かうことになり、企業はその対応を迫られることになる。
◆金融機関が保有する政策保有株式の売却が進むことで、今後、敵対的買収の対象になるハ-ドルがこれまでより低くなることが予想され、SSコード及びCGコードが本格化する2016年は、企業によるIR活動やSR活動の充実だけではなく、買収防衛策の導入に向けた動きに改めて注目されることも考えられる。
◆昨今、企業のコーポレート・ガバナンス不全の問題が増えており、CGコードへの対応に懐疑的になる向きもある。しかし、それはコーポレート・ガバナンスが強化されていく過程でこれまで隠れていた問題が一気に顕在化したものと考えられ、企業がむしろ、CGコードを積極的に利用することで経営改革を実現する契機になる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
取締役会実効性評価の近時動向
企業価値の向上を図る真の実効性評価の在り方とは
2024年06月28日
-
ガバナンス強化のための執行役員制度導入の論点
2023年07月26日
-
ESG指標と役員報酬制度
TOPIX100企業の動向と開示事例
2023年03月29日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
中国:26年1Qは予想外の堅調で5%成長
ただし、中東情勢緊迫長期化なら政府目標4.5%~5%成長は困難に
2026年04月17日
-
原油高の国内への波及経路と価格転嫁率を踏まえた消費者物価への影響
原油・天然ガス・石炭価格の10%上昇は物価を最大約0.3%押し上げ
2026年04月17日
-
令和8年金商法等改正法案 有価証券に関する不公正取引規制等の見直し
市場制度ワーキング・グループの提言がそのまま反映される
2026年04月17日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、円安・ドル高が止まらないのか?
中東情勢の混乱が続く中、円安と物価高・実質賃金低下の悪循環が継続するリスク
2026年04月16日
-
ホルムズ海峡封鎖で変わる世界地図—改めて問われる「成長投資」とは?
2026年04月17日

