買収防衛策の導入は、経営改革やコーポレート・ガバナンスの強化に繋がるか

~カプコン小田副社長に訊く(前編)~

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  • コーポレート・アドバイザリー部 主任コンサルタント 遠藤 昌秀

サマリー

◆カプコンは成長戦略を実行していくうえで買収防衛策が必要不可欠なものであることを明確にしたことに加えて、昨年以上に株主との建設的な対話を積み重ねてきたことが大きな要因となり、2015年の定時株主総会において買収防衛策を再導入するに至った。


◆株主とカプコン経営陣との間で経営方針や開発方針について議論するための時間が必要であり、その時間を確保することが買収防衛策を必要とする最大の目的である。


◆ひとつのコンテンツからパチスロやハリウッドでの映画化、ライセンス供与、マーチャンダイジングなどによって収益を最大化していく「ワンコンテンツ・マルチユース戦略」がカプコンにとって、今後とも重要な経営戦略として位置付けていく。


◆カプコンの経営陣に課せられた役割はこれまで以上に重責であるが、経営改革を通じて成長戦略を軌道に乗せることに成功すれば、同社の経営ステージのステップアップに繋がるものである。


◆コーポレート・ガバナンスに対する取り組みは不断のものである。企業はステークホルダーにとって短期的にはマイナスな印象を与えがちな施策であっても将来のあるべき姿を真剣に議論し続けることでコーポレート・ガバナンスの質的向上に繋げていく必要がある。

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