2015年12月22日
サマリー
◆カプコンは成長戦略を実行していくうえで買収防衛策が必要不可欠なものであることを明確にしたことに加えて、昨年以上に株主との建設的な対話を積み重ねてきたことが大きな要因となり、2015年の定時株主総会において買収防衛策を再導入するに至った。
◆株主とカプコン経営陣との間で経営方針や開発方針について議論するための時間が必要であり、その時間を確保することが買収防衛策を必要とする最大の目的である。
◆ひとつのコンテンツからパチスロやハリウッドでの映画化、ライセンス供与、マーチャンダイジングなどによって収益を最大化していく「ワンコンテンツ・マルチユース戦略」がカプコンにとって、今後とも重要な経営戦略として位置付けていく。
◆カプコンの経営陣に課せられた役割はこれまで以上に重責であるが、経営改革を通じて成長戦略を軌道に乗せることに成功すれば、同社の経営ステージのステップアップに繋がるものである。
◆コーポレート・ガバナンスに対する取り組みは不断のものである。企業はステークホルダーにとって短期的にはマイナスな印象を与えがちな施策であっても将来のあるべき姿を真剣に議論し続けることでコーポレート・ガバナンスの質的向上に繋げていく必要がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年6月株主総会シーズンの総括と示唆
株主提案数は過去最高を更新。一方で一般株主の賛同は限定的。
2025年10月31日
-
買収対応方針(買収防衛策)の近時動向(2025年9月版)
「同意なき買収」時代における買収対応方針の効果と限界
2025年09月24日
-
2025年6月株主総会に向けた論点整理
活発なアクティビスト投資家。株主提案数は過去最多を更新
2025年05月29日

