サマリー
◆2008年10月16日に、わが国の会計基準を設定するASBJ(企業会計基準審議会)は、時価会計の適用を一部緩和することの検討を開始する旨を決定した。
◆検討内容はIASB(国際会計基準審議会)が10月13日に公表した「金融資産の分類の変更」(満期保有目的への分類変更の緩和)と同様の措置をわが国でも導入するのか、導入するとしてどの程度認めるのかが中心になる模様である。なお、2008年9月中間期から適用という一部の報道は誤解であると思われる。
◆ASBJは10月16日付けで上記の検討とは別に金融資産の時価の取扱いについて確認する実務対応報告案を公表しており、10月23日までにコメントを求めている。こちらは月内にも確定する予定であり、9月中間期から適用ということもありうるが、現行実務を変更するものではない。
◆時価会計を緩和しても実態は改善しない。むしろ実態を隠すことにより、投資家や貸し手を疑心暗鬼に陥らせ、信用不安を助長する可能性がある。かつて不良債権について開示や償却を先送りしたことが傷口を広げ、問題の解決を長引かせたことを思い起こすべきであろう。
◆検討内容はIASB(国際会計基準審議会)が10月13日に公表した「金融資産の分類の変更」(満期保有目的への分類変更の緩和)と同様の措置をわが国でも導入するのか、導入するとしてどの程度認めるのかが中心になる模様である。なお、2008年9月中間期から適用という一部の報道は誤解であると思われる。
◆ASBJは10月16日付けで上記の検討とは別に金融資産の時価の取扱いについて確認する実務対応報告案を公表しており、10月23日までにコメントを求めている。こちらは月内にも確定する予定であり、9月中間期から適用ということもありうるが、現行実務を変更するものではない。
◆時価会計を緩和しても実態は改善しない。むしろ実態を隠すことにより、投資家や貸し手を疑心暗鬼に陥らせ、信用不安を助長する可能性がある。かつて不良債権について開示や償却を先送りしたことが傷口を広げ、問題の解決を長引かせたことを思い起こすべきであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
EUサステナ開示規制順守は米国法違反?
米国産業団体は米政府にEU規制の域外適用撤廃の交渉を求める
2025年11月19日
-
トランプ大統領「四半期開示は廃止」
第1次政権で頓挫した四半期開示の廃止を再び提案
2025年09月25日
-
のれんに関してASBJが意見聴取を実施する
のれんの非償却の導入・償却費計上区分の変更が提案された
2025年08月06日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

