米国基準と国際会計基準の統合化

2009年までに米国とEU間の調整措置不要に

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2006年04月06日

  • 吉井 一洋

サマリー

◆わが国企業が日本基準の財務諸表を用いてEUで資金調達を行う場合、2007年からは補完計算書の作成や追加開示といった調整措置が求められる予定であった。この調整措置の義務付けが2009年に先送りされる可能性が高まってきた。

◆背景には、米国と国際会計基準・EU間の会計基準のコンバージェンスの進展がある。米国とEUは2009年に、調整措置無しに、会計基準に基づく財務諸表の使用を相互に認める方向にある。米国のFASB(財務会計基準審議会)とIASB(国際会計基準審議会)はそのための会計基準のコンバージェンスに向けた「覚書」として、2006年2月にMOUを公表している。

◆わが国企業に対するEUでの調整措置の義務付けが2009年まで先送りされたとしても、米国とEU間で調整措置不要となった場合は、調整措置が必要なわが国企業は、2009年以降は、不利な立場に立たされることになる。

◆本レポートでは、MOUの内容を中心に、米国とEU、米国とIASBとのコンバージェンスの動きを解説する。

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