サマリー
◆3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で実質上のゼロ金利政策が維持される一方、「忍耐強く」なれるとする文言は削除された。FOMC参加者の政策金利の見通しが下方修正されたことで、想定される利上げ開始時期は先送りされ、利上げは経済情勢次第ということになった。
◆その経済情勢は、一部の地域における悪天候などを背景に、企業活動や個人消費などに軟調な結果が出ている。雇用者数の増勢が回復し、不足が深刻化しつつある熟練労働者を中心に賃金が上昇していることから、経済の回復トレンドは続くだろう。
◆2月末までしか手当てされていなかった国土安全保障省関連の予算は、9月までの暫定予算成立に紆余曲折を経た。再び上限額に達した連邦政府の債務上限額の引き上げや、10月から始まる新年度の予算作成がスムーズに進むとは限らないだろう。
◆経済情勢次第となった利上げ時期は、内需が個人消費を中心に総じて底堅さを保つ一方で、不透明な海外経済の減速やドル高に伴う外需の減速や、議会動向などが左右することになるだろう。
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