急速に広がる資格情報等のデジタル化

利用時に気をつけるポイントと求められるデジタルリテラシー

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2025年04月28日

サマリー

◆2025年3月24日よりマイナンバーカードと運転免許証および運転経歴証明書の一体化が開始された。このように、クレデンシャル(特定の資格や権利を証明するための情報や証明書)のデジタル化を進めることで、デジタルサービスを利用した情報管理や本人確認、資格および権利証明等を可能とする取り組みは、近年急速に広がっている。

◆クレデンシャルのデジタル化が進む背景として、現在の一般的な手法(利用者が証明書等の画像ファイルやPDFファイルを作成し、デジタルサービス上に添付してアップロードする手法等)が、デジタル環境に適していないことが挙げられる。これらはデジタル技術のメリットを十分に活かしきれていない結果、①真正性(本物であること)の確認が困難、②プライバシーの懸念、③手続きの煩雑さ、といった課題が生じている。

◆デジタル化されたクレデンシャルを利用したサービスの実用化は既に始まっている。その一方で、クレデンシャルをさまざまなサービスで横断的に利用するために必要となる相互運用性については、まだ検討段階にある。そのため、クレデンシャルのデジタル化は過渡期にあるといえる。

◆このような状況下で、デジタル化されたクレデンシャルを利用したサービスを実際に利用することになった場合、利用者自身がクレデンシャルを提示する目的を正しく理解し、利用するサービスを選択する力を身につけることが重要となる。新しい技術やサービスを適切に理解し、目的に応じた選択を行うことで、デジタルに最適化したクレデンシャルの利便性と安全性を最大限に活用することができるだろう。

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