サマリー
◆2019年1-3月期の実質GDP成長率(二次速報)は前期比年率+2.2%(前期比+0.6%)と、一次速報(前期比年率+2.1%、前期比+0.5%)から小幅に上方修正された。
◆上方修正の主因は、法人企業統計の結果を受けた民間企業設備の上方修正(前期比▲0.3%→同+0.3%)である。他方、一次速報で反映されていなかった直近の基礎統計の反映などを受け、民間住宅(同+1.1%→同+0.6%)と公的固定資本形成(同+1.5%→同+1.2%)は小幅に下方修正された。
◆全体の成長率こそ高いものの、一次速報と同様に、中身は必ずしも芳しくない。輸入の減少に伴う「外需」の寄与が今回の成長の大宗を占める。「内需」の寄与度も辛うじてプラスだが、在庫要因を除けばゼロだ。そして内需を牽引する項目を確認すると、民間住宅(消費増税前の駆け込み)や公的固定資本形成(防災・減災対策)など、一時的な特殊要因を背景にしているとみられるものが並ぶ。
◆輸出の停滞と消費の一進一退が続く限り、在庫調整の圧力も加わって、日本経済は実態として当面、潜在成長率を下回るほぼゼロ成長の低空飛行を続ける公算が大きい。
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