サマリー
◆財政再建と並ぶ日本経済の最重要課題は、デフレからの脱却である。デフレの原因は「自然利子率の低下」ないしは「デフレ期待の定着」とされるが、そのいずれを主因とみるかによって処方箋は異なる。本稿ではデフレの原因とその処方箋を巡る議論を整理しつつ、デフレ脱却に向けた各種の政策の効力を検証する。
◆「自然利子率の低下によるデフレ」説を支持するならば、その処方箋は潜在成長率の引き上げであり、アベノミクスにおいては第三の矢、成長戦略が本丸となる。中でもとりわけ労働力人口の減少に歯止めをかける政策や産業の新陳代謝を高めるような規制緩和が重要だが、仮にこうした政策が奏功しても、その効果が発揮されるのはかなり先の話となる。
◆「デフレ期待の定着」説を支持するならば、円安によりデフレ脱却の達成が見えてくる可能性がある。円安を継続することで円高期待を反転させつつ、水準としての円安をさらに進展させることで国際競争力を回復させ、同時に賃金上昇の慣性を取り戻すことで、「国際競争力悪化、賃金低下、円高」の悪循環を「国際競争力改善、賃金上昇、円安」の好循環に反転できるかが鍵となる。
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