サマリー
◆総務省「家計調査」によると、2014年5月の実質消費支出は季節調整済み前月比▲3.1%と、大幅に減少した4月に引き続き減少した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ると、同+0.6%と増加したものの、増加幅は想定よりも小さい。
◆5月の名目小売販売額は、季節調整済み前月比+4.6%と2ヶ月ぶりに増加した。駆け込み需要の反動減からの回復により、すべての業種で販売額が増加した。ただし、販売額の水準は駆け込み需要発生前を下回っており、今後の回復ペースに注視が必要である。
◆5月の個人消費は、駆け込み需要の反動によって低水準での推移となった。商業販売統計で見れば一定程度の回復が見られたものの、水準は駆け込み需要発生前と比べて低い状態が続いている。ただし、駆け込み需要の見られなかった品目に関しては、堅調に需要が回復している様子が見て取れる。消費税増税は、①駆け込み需要とその反動減、②実質所得の減少という2つのルートで個人消費に影響を与えると考えられているが、実質所得の減少による個人消費の押し下げ圧力はそれほど大きくない可能性がある。駆け込み需要の反動減の影響が払拭されれば、個人消費は回復基調に復するとみてよいだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年8月貿易統計
トランプ関税や半導体需要減の影響継続で輸出金額は4カ月連続減少
2025年09月17日
-
トランプ関税でインバウンドに黄色信号
中国人旅行客の伸びしろは大きいものの、他国の状況は厳しい
2025年09月16日
-
経済指標の要点(8/19~9/12発表統計分)
2025年09月12日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日