5月消費統計
5月時点では反動減からの回復は鈍い
2014年06月27日
サマリー
◆総務省「家計調査」によると、2014年5月の実質消費支出は季節調整済み前月比▲3.1%と、大幅に減少した4月に引き続き減少した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ると、同+0.6%と増加したものの、増加幅は想定よりも小さい。
◆5月の名目小売販売額は、季節調整済み前月比+4.6%と2ヶ月ぶりに増加した。駆け込み需要の反動減からの回復により、すべての業種で販売額が増加した。ただし、販売額の水準は駆け込み需要発生前を下回っており、今後の回復ペースに注視が必要である。
◆5月の個人消費は、駆け込み需要の反動によって低水準での推移となった。商業販売統計で見れば一定程度の回復が見られたものの、水準は駆け込み需要発生前と比べて低い状態が続いている。ただし、駆け込み需要の見られなかった品目に関しては、堅調に需要が回復している様子が見て取れる。消費税増税は、①駆け込み需要とその反動減、②実質所得の減少という2つのルートで個人消費に影響を与えると考えられているが、実質所得の減少による個人消費の押し下げ圧力はそれほど大きくない可能性がある。駆け込み需要の反動減の影響が払拭されれば、個人消費は回復基調に復するとみてよいだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年02月25日
量的緩和政策下の金融調節
金融調節から非伝統的金融政策を考える②
-
2021年02月25日
認知機能の低下と資産管理(1)
既に認知機能が低下している場合の対応
-
2021年02月25日
増加する介護保険料②
限界が見えてきた健保組合等の加入者の負担
-
2021年02月24日
脱炭素化政策の国際比較に見る日本の課題
新規産業育成や硬直的な日本労働市場への対応が重要
-
2021年02月25日
コロナ危機と選挙の関係~米欧編~
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月30日
東証市場再編の概要とTOPIXの見直し
影響が大きそうな流通株式の定義の変更
-
2020年04月13日
緊急経済対策の30万円の給付対象者概要と残された論点
ひとり親世帯や年金を受給しながら働く世帯などに検討の余地あり
-
2020年12月28日
改正会社法施行規則 取締役の報酬等の決定方針
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目