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1998年を節目とした日本経済の変貌

~「失われた20年」以外の成長低迷とデフレの見方~『大和総研調査季報』 2013年春季号(Vol.10)掲載

2013年06月03日

市川 正樹

サマリー

バブル崩壊後の1991年を節目として「失われた20年」と言われることがあるが、家計部門の変化の節目は1998年であったと考えられる。


正規雇用者の減少とその賃金の低下、一方で賃金水準は上昇しても格段に水準の低いままの非正規雇用者の増加、結果としてのトータルの雇用者報酬(SNAベース)の減少が生じた。さらに可処分所得の減少につながり、家計最終消費支出が頭打ちになるとともに、民間住宅投資もレベルダウンした。家計部門の現金・預金残高は頭打ちとなり増えなくなった。こうした中で、人々の収入に対する不安が高まった。一方、企業は貯蓄超過に陥るとともに、期待成長率は2%を切ることとなった。そして、GDPギャップが拡大し、GDPデフレーターやCPIが低下を始めた。こうした経済情勢の悪化は、再び雇用者報酬の低下につながる。このような変化が1998年頃に生じていた。なお、2000年代中ごろ以降、一時回復の兆しが見られたものの、リーマン・ショックの発生により再び低迷に陥った。


本稿では、このように、1998年を節目として生じた日本経済の変化を、マクロデータを分析することから示す。政策や企業の対応も、相互に影響し合う様々な分野において同時並行的に進められることが必要であろう。


大和総研調査季報 2019年10月秋季号Vol.36

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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