2022年07月20日
サマリー
ブロックチェーン技術の活用が様々な金融分野で進んでいる。日本では事業会社がセキュリティトークン(ST)を発行する事例が増えており、新たな資金調達手法、あるいは投資商品として注目されている。STには既存の有価証券の発行・管理の金融プラットフォームとは異なる分散型台帳技術を活用した新たな金融プラットフォームが採用されており、大手金融機関はプラットフォームビジネスの主導権をめぐって共創と競争を繰り広げている。他方、米国を中心とする金融先進国では、グローバルな金融・資本市場を担う金融機関同士の金融プラットフォーム化の共創と競争の動きが活発化するとともに、テクノロジーとサイエンスによって既存金融ビジネスモデル、金融プラットフォームのアンバンドリングが進展している。そこでは金融・資本市場に本源的な機能を発揮させ、様々な変化への耐性が高いビジネスモデルへと変革させる金融DX(デジタルトランスフォーメーション)が進められている。そのような競争の中から、金融プラットフォームのデファクトスタンダード(業界標準)が形成されていく。DeFi(分散型金融)へのシフトがありきではない。これらを踏まえ、本稿では日本の金融機関の新たな金融プラットフォームへの取り組みが、将来的に市場を機能させ、ビジネスモデルの耐性を高めていくかを探る。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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