2021年12月24日
サマリー
◆2021年は前年に比べて外食サービス企業(以下、外食企業)による資本性資金の調達件数が大幅に増えている。新型コロナウイルス発生から暫くは借入等で資金繰りを賄っていたが、運転資金や借入返済への充当の必要性が増した企業が増えたためである。
◆上場外食企業の業績は時短協力金や雇用調整助成金等の政府補助金の効果で改善しているものの、これらの効果を除けば依然として営業赤字が続いている。規模の小さい企業、財務状態の悪化が進む企業を中心に、資本性資金で財務基盤の拡充が図られよう。
◆これまでの外食企業の資金調達事例は、今後、外食を含む対面型サービス企業全般が資金調達を判断する際の参考となり得る。中でも、①新株予約権の影響を抑える安定株主(第三者割当の候補先)の構築、②政府系金融機関による支援策(優先株式、劣後ローン)の活用は、資金計画段階で検討・対応すべき項目と注目される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
CGコードでの現預金保有の検証に対する上場会社の懸念
一見対立しているようだが、通底する投資家と会社側の意見
2025年11月07日
-
非上場株式の発行・流通を活性化する方策
「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」が報告書を公表
2025年10月29日
-
親子上場などに関する開示議論の再開
不十分な開示状況に対して、開示項目の記載必須化に向けた議論も
2025年10月27日

