2011年07月22日
サマリー
◆2011年6月で米QE2が終了した。資金供給の量的な拡大ペースや中身(質)を比較すると、QE1ほど積極的な資金供給ではない。QE2実施期間中、米市場では、株価上昇、長期金利上昇、ドル安、コモディティ高となった。
◆QE2の効果があるとすれば、ポートフォリオ・リバランス効果とマインド面への働きかけ、の2点となろう。ポートフォリオ・リバランス効果は、直接的には観測されず、間接的に米家計の投信購入によって生じたと見られる。
◆マネーフロー面の直接的な変化は限定的だが、期待インフレ率の上昇が実質短期金利を低下させ、株価等、リスク性資産価格の上昇を通じた資産効果等が、評価すべき効果だろう。
◆インフレ期待が高まった背景は、「市場との対話」が成功したことが考えられる。マーケットを通じた影響は、株価上昇による資産効果のほか、社債、CP発行増加等の資金フローをもたらした可能性がある。市場参加者のマインド改善は、たまたま成功したに過ぎないのかもしれない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
成長と新陳代謝を促進するグロース市場改革
スタンダード市場への影響も注視
2025年05月12日
-
「少額投資の在り方に関する勉強会」報告書
東証は上場会社、投資家向けの情報発信などを強化
2025年04月28日
-
IR体制の整備の義務化
パブリック・コメントの開始/7月を目途に実施予定
2025年04月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日