ROE水準から見たダイバーシティの経営方針

ROE高位水準の企業の特徴は、経営方針に人材尊重の視点があること

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2020年01月14日

  • 菅原 佑香
  • リサーチ業務部 大和 敦

サマリー

◆日本でも30%Clubの活動が開始された。機関投資家から成るワーキンググループも取締役会の多様性を一層働きかけることになろう。国内機関投資家が、企業の女性活躍の開示に対して求めることは、それが企業価値を向上させるストーリーである。ダイバーシティ経営においては、経営層、現場、外部(社会や資本市場等)の3つの視点で取り組むことが重要だとされる。

◆上場企業のダイバーシティに関する基本理念や経営方針がどのように変化してきたのか特徴語を抽出すると、2015年以降になって女性活躍やダイバーシティに積極的となった傾向が見られる。背景にはコーポレートガバナンス・コードが上場規程に取り入れられた影響が考えられる。

◆さらにROE水準別にダイバーシティに関する開示内容の特徴語を抽出し傾向を探ると、ROEの高い企業においては、特に経営において人材をどう尊重するかという視点で経営方針が記述されていることがうかがわれる。具体的な取り組み事例に関しては、制度の導入や研修の実施を通して女性活躍を推進しようということを積極的に記述している傾向がROEの高い企業群ではうかがわれた。

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