サマリー
◆米国のHECMは高齢者の経済的困難の緩和を目的とする公的なリバースモーゲージである。住宅資産(ストック)をフロー収入に転換することで、高齢者が住み慣れた自宅で活力ある暮らしを送ることができるようすることをHECMは目指している。
◆HECMの貸付件数は2000年代に入り順調に増加したが、サブプライム・ショックによる金融危機の中で、住宅の差し押さえ回避策に利用されたこと等により2009年度にピークに達した。
◆2009年度以降は、既存の住宅ローンや債務返済にHECMを利用した借入人のデフォルトが増加し、FHA(連邦住宅庁)に譲渡される住宅の増加や住宅価格の下落、融資期間の長期化等を背景に、融資保険を担っているMMI基金の財政が悪化した。その後、HECMは財務安定性の観点から累次の見直しが行われ、MMI基金の健全性は改善が見られた。
◆だが、2014年度以降には、固定資産税・住宅保険料の滞納や居住要件を満たさなかったことを理由としたデフォルトが増加している。融資のパフォーマンス分析を進めると同時にデフォルトを抑制し、高齢者の生活の安定に繋げる制度とすることが不可欠である。
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