サマリー
◆世界の年金基金(Pension funds)、すなわち、国による公的年金制度以外の私的年金制度の重要性が高まっている。OECD(経済協力開発機構)では、毎年世界の年金基金における統計を公表している。本レポートでは、2012年9月に公表された最新の統計を基に、世界各国の年金基金の動向をまとめた。
◆OECDの公表する統計を基に、世界各国の年金基金の動向を確認すると、2011年は資産総額が2001年の約2倍の水準にまで達し、順調に規模が拡大していることがわかった。資産配分については、2001年以降、株式や債券から新しい資産へと投資対象がシフトしていた。運用リターンについては2011年はOECD平均でマイナスと、多くの年金基金にとって厳しい結果だったといえよう。
◆過去10年以上において、年金制度改革は世界各国で進められている。OECD加盟国の半数以上が「支給開始年齢」を引き上げ、また、私的年金への加入率を高めるための取り組みを行っている。我が国に目を転じると、改革は前進しているとは言い難い。他国の例も検討しながら改革を加速させる必要があるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
決着しない受託者責任とESG投資の関係
共和党・民主党の対立の中で議決権パススルーの有用性が高まる
2025年09月19日
-
米国401(k)プランにおけるターゲット・デート・ファンド導入の効果
若年層の株式比率上昇に伴う資産拡大と株式直接投資への波及効果
2025年08月13日
-
ISSが取締役兼務数基準の導入を検討
取締役の兼務が多すぎる場合、選任議案に反対投票推奨へ
2025年07月31日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日