2015年05月28日
サマリー
◆大和総研が先日実施した「第一回企業価値創造に関するトップマネジメント意識調査」によると、これからの経営トップに求められる資質として、「先見性」、「リーダーシップ」、「環境変化対応」、「戦略的思考」という回答が上位を占めた。
◆本稿では、これら経営トップに求められる資質が「日本特有のものなのか」「歴史的に普遍的なものなのか」、国内外の経営者や識者の言説を参考に検証を試みた。
◆ジャック・ウェルチやドラッカー等の米国の経営者や識者の事例を見ると、このアンケートで示された経営トップに求められる「先見性」等の資質に共通する内容が見られることから、「日本」という地域的文脈に限定されないものと推察される。
◆また、日本の明治や昭和の代表的な経営者である渋沢栄一や松下幸之助にみられた経営者の資質をみると「先見性」等の資質は「現代」という時代的文脈にも限定されるものではなく、「歴史的に普遍的なもの」であろう。
◆洋の東西あるいは時代を問わず経営者に求められる資質として普遍的なものは「先見性」「リーダーシップ」「戦略的思考」等であることが確認できた。そして本稿で紹介した経営者の企業は現在も脈々とその経営を持続させている。まさに「サステナブルカンパニー」といえるのではないか。今後、こうした資質を持ち合わせた「経営者」こそ、企業の持続的な経営にとって、ますます重要な要素となってくるだろう。
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