2011年06月07日
(要点)
- 2009年10月、創業板が深圳証券交易所に開設されて以降、創業板をめぐっては、貧富の格差を助長しているなどの批判も絶えないが、全体的な市場のパフォーマンスについては、中国国内でまずまずの評価である。
- 創業板の株価、特にIPO株価収益率が高すぎるのではないかという点は大きな争点になっている。その適正水準をどう見るか、種々意見があるが、概して創業板は本来リスクが高いと同時に成長性も高い市場であるとして、ある程度高めの株価を許容する見方が多い。
- 今後改善すべき点として、上場廃止基準の厳格化などを指摘する声が多い。創業板が貧富の格差拡大の原因のひとつになっているとの一般庶民の認識があり、より公正かつ透明性の高い市場の整備を図っていくことが求められている。他方、できるだけ規制や監督当局の介入を少なくして、市場原理に任せることが創業板の成長につながるとの論調もある。
- 戦略産業育成、産業の高度化を目指す12次5ヵ年計画の下で、創業板成長の可能性は基本的には大きく、またその役割は今後ますます重要になっていく見込み。
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