サマリー
◆人的資本経営の取り組みは、試行錯誤を重ねながら着実に進行している。課題があることは認識されており、各施策が企業業績などにどのような影響を与えるかは、現在検証途上にある。その中でエンゲージメントスコアは、従業員の意欲や満足度を可視化する指標として注目を集めており、業種や企業規模を問わず、広く活用可能な指標としての価値が高まっている。
◆経営の視点では、最終的な成果(業績向上)に焦点が当たりがちだが、従業員の視点では、自己評価や成長実感、上司とのコミュニケーションなど、日々の職場体験に関心が向けられていることがわかる。従業員から上司に対する要望は多岐にわたるが、特に職務の適正配分、人事評価の公正性、及びフィードバックの質に関するニーズが高いことが明らかになった。
◆エンゲージメントスコアは従業員アンケートを通じて得られる総合的な評価指標である。エンゲージメント自体を高めるためには、従業員が担当職務を遂行するために必要なスキルを着実に獲得することが重要である。そのためには、現在保有するスキルと、今後習得すべきスキルを明確にし、体系的かつ計画的なスキル開発を推進することが求められる。これが、いわゆるスキルベースの人材育成の考え方である。
◆スキルベースの育成を効果的に進めるには、互いに不足しているスキルを補完し合えるメンバー構成が有効となる。さらに、同じスキルを保有していても習熟度が異なるメンバーを組み合わせることで、スキルのレベルアップを促すことも可能となる。こうした取り組みは地道ではあるが、継続することで育成スピードを高め、組織全体のスキルレベルの向上にも寄与することになる。
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