買収防衛策の近時動向(2024年1月時点版)

活性化する非友好的な株式取得と買収防衛策のあり方

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  • コンサルティング第一部 主任コンサルタント 吉川 英徳
  • コンサルティング第二部 コンサルタント 山本 一輝
  • コーポレートバリュー・アドバイザリーチーム

◆ここ数年、事業会社やアクティビスト投資家等による経営に影響を及ぼすことを目的とした非友好的な株式取得が目立つようになってきている。上場企業側は対抗措置として有事導入型の買収防衛策を導入・発動するケースも増加しており、資本市場において上場企業の経営支配権のあり方に関心が高まっている。

◆そうした中、2023年8月に経済産業省が「企業買収における行動指針」を策定し、3つの原則として、「企業価値・株主共同の利益の原則」、「株主意思の原則」、「透明性の原則」を公表している。

◆企業買収における行動指針の策定・公表に伴い、上場企業は同意なき買収であっても「真摯な買収提案」には「真摯な検討」を行うことが求められることが明確となった。買収防衛策についても、平時における潜在的な買収者に対する牽制効果ではなく、有事において、買収者に対して情報を求め、企業価値向上の観点から取締役会として検討する時間の確保という役割に変わりつつある。

◆事前警告型買収防衛策を導入している企業の中には、同意なき買収に対する漠然とした不安から潜在的な買収者に対する牽制効果を期待し買収防衛策を導入している企業もあるように見受けられるが、今一度、自社の企業価値向上に向けた取り組みを整理し、有事導入型の買収防衛策への切り替えを含め自社の社内体制を見直す必要があると考える。 

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