1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. コンサルティングレポート
  4. コーポレートガバナンス
  5. 2020年6月株主総会シーズンの総括と示唆

2020年6月株主総会シーズンの総括と示唆

コロナ禍での特例措置により、取締役選任議案の賛成率は改善

経営コンサルティング部 主任コンサルタント 吉川 英徳

サマリー

◆2020年6月株主総会は新型コロナウイルス感染症対応という例年とは大きく異なる株主総会運営であった。3月期決算企業の大部分は例年通り6月に定時株主総会を開催したものの、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、本年6月株主総会の平均来場者数は29名(前年は197名)と大幅に減少、所要時間も平均で33分(前年は57分)と大幅に短縮化されている。

◆2020年6月株主総会の議決権行使結果については、全体的に賛成率が改善傾向にあった。本年度の株主総会においては、上場子会社への独立社外取締役比率の引き上げなどコーポレートガバナンスに関する基準等は厳格化された一方で、議決権行使助言会社や機関投資家が上場企業への新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、取締役選任議案等の業績基準の適用を停止したことが背景にある。特に議決権助言会社最大手のISS(※1)が2020年6月以降の株主総会よりROE5%基準(※2)の適用を一時停止したことの影響が大きいと考える。

◆2021年6月株主総会シーズンに向けては、(1)ハイブリッド型バーチャル株主総会の普及、(2)東証市場再編とCGコード再改訂に伴うコーポレートガバナンスに求められる水準向上、(3)政策保有株式の縮減に向けた対応等がポイントとなると考える。特に来年度の株主総会より大手議決権行使助言会社グラスルイスが政策保有株式について純資産10%基準(※3)の導入を既に公表、ISSも同様の基準導入のポリシーリサーチを2年連続で実施している。資本市場の政策保有株式に対する見方が厳しくなってきており、上場会社が今まで以上に縮減に取組むことが求められている。

(※1)Institutional Shareholder Services Inc.
(※2)ISSは通常は過去5期平均のROEが5%を下回り、かつ改善傾向にない場合には、社長や会長などの取締役選任議案に反対することを推奨している
(※3)原則として「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」の「貸借対照表計上額の合計額」が連結純資産と比較して10%以上の場合、会長(会長職が存在しない場合、社長等の経営トップ)に反対助言とする

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連のサービス