2019年07月26日
サマリー
◆東京証券取引所グループと大阪証券取引所が2013年1月に経営統合し、発足した日本取引所グループは、現物市場の統合では市場統合前の基本的な市場構造を維持してきたが、将来を見据えた改善すべき課題が顕在化し、2018年10月より現在の市場構造を巡る課題と論点の整理を検討してきた。
◆4市場で構成され、運営されてきた現物市場は、上場銘柄の特性に応じた3つの市場区分に再設計することを適当としたが、市場区分を見直すにあたり、時価総額の基準がどのような形で設けられるかに大きな注目を集めることになった。
◆市場区分の見直し議論を通じて、時価総額(株価)を意識した経営を考慮する局面も考えられるが、コーポレートガバナンス強化の観点から、事業ポートフォリオマネジメントが収益力を高めることに重要な役割を果たすことになる。
◆自社の時価総額(株価)に対する意識が高まるものの、一時的な株価の変動に一喜一憂することなく、持続的な企業価値の向上に目を向け、経営戦略や経営活動を見直す契機にすることが望まれる。
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