2018年04月18日
サマリー
◆主要企業を中心に2018年2月・3月株主総会の議決権行使結果について分析を行った。
◆主要企業の経営トップの取締役選任議案については、ROE改善等を背景に賛成率が前年比で大幅改善する企業が目立つ一方で、買収防衛策の継続議案については国内外の機関投資家の目線が厳しく、低賛成率に留まっている。
◆また、3月株主総会において、アクティビスト投資家からの株主提案が行われた3社14議案について分析を行ったところ、買収防衛策の廃止や取締役任期の短縮に関する株主提案については、多くの一般株主が賛成しており、アクティビスト投資家だけでなく、国内を含む一般機関投資家のコーポレートガバナンスに関する目線が厳しくなっている事がうかがえる結果となった。
◆2018年6月株主総会に向けての注目点としては、アクティビスト投資家の動向や、政策保有株式の縮減等が求められるCGコード改訂、それらに対する企業側の取組み等がある。アクティビスト投資家だけでなく、一般株主の「物言う株主化」が進む中で、上場企業には資本市場を意識した経営が従来以上に求められている。換言すれば、経営陣や取締役会の「株主との対話力」が試されているのである。
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