バイナリー発電

2013年1月7日

解説

バイナリー発電は、地熱資源を利用した発電方法の一つである。従来の地熱発電は、200℃以上の高温の熱水や蒸気を使うが、バイナリー発電は、それよりも低温の熱水や蒸気で低沸点の媒体を加熱し、媒体の蒸気でタービンを回すことで発電する。

バイナリー発電は、高温利用の地熱発電と比べると以下のメリットがある。
 ・適地が多いとみられる
  -熱水などの資源が、深く掘削しなくても見つかる可能性があるため
  -温泉程度(50℃程度)の中低温水でも発電できるものもあるため
 ・短い開発期間、低い開発リスク、低コスト


世界の状況を見ると(図表1)、バイナリー発電の設備数は4割以上と多いが、1設備あたりの設備容量が大きくないため、設備容量も発電量も約1割となっている。

現在稼働中の日本の地熱発電所17カ所のうち、バイナリー発電を行っているのは九州・八丁原発電所の1カ所だけである(2012年12月時点)。しかし、2012年以降、新潟県、福島県などの温泉地域でバイナリー発電導入の動きが始まっている。

図表1 発電種類別状況
図表1 発電種類別状況
(出所)World Geothermal Congress 2010、Ruggero Bertani “Geothermal Power Generation in the World 2005–2010 Update Report”を基に大和総研作成

 

高温の熱水・蒸気を利用する発電用のタービンでは、日本が世界のシェア7割以上を占めるが、バイナリー発電用のタービンのシェアは、イスラエルが9割以上と圧倒的である(図表2)。

しかし、日本でもバイナリー発電用の設備を開発・販売している企業が出てきており、今後の展開が期待される。

図表2 バイナリー発電タービン設備容量(供給国別)
図表2 バイナリー発電タービン設備容量(供給国別)
(出所)World Geothermal Congress 2010、Ruggero Bertani “Geothermal Power Generation in the World 2005–2010 Update Report”を基に大和総研作成

(2013年1月7日掲載)

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