日本経済見通し:2018年9月
Ⅰ.最新最速・米中貿易戦争に伴う『品目別』追加関税率の詳細分析 Ⅱ.大幅拡大が見込まれる2019年度予算(概算要求)と経済インパクト試算 Ⅲ.経済見通しを改訂:2018年度+1.2%、2019年度+0.8%
2018年09月19日
サマリー
◆トランプ大統領は9月17日、中国からの約2,000億ドル相当の輸入品目に対して追加関税を賦課することを決定した。これに対して、中国も米国からの約600億ドル相当の輸入品目に対して、報復関税を決定している(いずれも実際の発動は同月24日から)。本稿では、既に内容が公開されている関税政策(米国500億ドル+2,000億ドル、中国500億ドル+600億ドル)について、品目別の追加関税率および金額を詳細に分析する。
◆同分析によれば、米国の対中関税は、対象品目の輸入総額が2,353億ドル、追加関税総額は2018年305億ドル→2019年588億ドル、対象品目に対する平均追加関税率は2018年13.0%→2019年25.0%となる。内訳としては、機械類および電子機器が大きなウェイトを占めている。他方で中国の対米関税は、対象品目の輸入総額が1,158億ドル、追加関税総額は175億ドル、対象品目に対する平均追加関税率は15.1%となっている。内訳としては、自動車、大豆に加え、機械類や発電機、制御装置といった電気機器のウェイトが大きい。
◆9月7日に2019年度概算要求が公表された。総額は102.8兆円、前年度(2018年度)予算対比で+5.1兆円、同概算要求対比で+1.8兆円の規模となる。このうち国債費を除いた一般歳出(地方交付税交付金含む)総額は78.2兆円、前年度予算対比で+3.8兆円、同概算要求対比で+1.0兆円の規模となった。本稿では、概算要求額の増加幅を前提として、日本経済への影響を大和総研マクロモデルを用いて試算した。試算結果によれば、来年度の財政支出拡大に伴い実質GDPは0.14%、プライマリーバランスの赤字のGDP比は0.15%pt拡大する見込みである。
◆2018年4-6月期GDP二次速報の発表を受けて経済見通しを改訂した。改訂後の実質GDP成長率予想は2018年度が前年度比+1.2%、2019年度が同+0.8%である。日本経済は、2017年度に揃っていた好材料が剥落する格好で、踊り場局面に位置しているとの判断に変わりはない。先行きの日本経済は、当面は減速を続けながら、極めて緩やかな成長軌道を辿るとみている。
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