サマリー
◆2021年5月の機械受注(船電除く民需)は前月比+7.8%と3カ月連続で増加し、コンセンサス(同+2.4%)を大幅に上回った。製造業、非製造業ともに増加し、特に非製造業では二桁増となった。
◆製造業からの受注額は前月比+2.8%と2カ月連続で増加し、2019年4月以来の高水準となった。とりわけ電気機械、造船業、その他製造業などからの受注額が増加した。非製造業(船電除く)からの受注額は同+10.0%と増加に転じた。通信業が6カ月ぶりに増加し、その他非製造業や金融業・保険業などからの受注額も増加した。外需は同+11.4%と2カ月連続で増加した。このところ外需は振れが大きいものの、増加基調にあることが改めて示されたといえよう。
◆先行きの民需(船電除く)は、緩やかな回復基調が続くだろう。景気回復が見込まれる米中や欧州向けを中心に輸出が増加し、製造業の設備投資意欲を高めるとみられる。また、6月調査の日銀短観では企業の設備投資への強い意欲が示された。他方、国内では東京都や沖縄県に対して緊急事態宣言が発出されており、全国的にも新型コロナウイルス新規感染者数は増加傾向にある。宿泊業や飲食サービス業等からの受注は低迷が続くとみられるが、民需全体への影響は軽微だろう。
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