サマリー
◆2018年3月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+2.1%(市場コンセンサス:同+5.2%)と前月(同+1.8%)からプラス幅が拡大、輸入金額は同▲0.6%と前月(同+16.6%)からマイナス転換した。貿易収支は7,973億円と2ヶ月連続の黒字となった。
◆輸出数量(大和総研による季節調整値)は前月比+0.8%と2ヶ月ぶりに増加した。地域別に見ると、全体を押し上げたのはアジア向け(同+2.8%)輸出であった。2月には春節による輸出減があり、この反動とみられる。ただし、3月の中国向け輸出数量を1月、2月平均と比較すると▲0.3%と、春節の影響を均すと弱さが見られる。一方、押し下げ要因となったのはEU向け(前月比▲6.0%)と米国向け(同▲1.7%)であった。
◆先行きの輸出数量について、海外経済が底堅い成長を続ける中、緩やかな増加基調を維持するとみている。税制改革による追い風が吹く米国経済と足下の堅調さを維持すると見込まれる欧州経済が輸出数量を下支えするだろう。注意点としては、米国の保護主義的な志向が顕在化している点が気がかりだ。足下では直接的に日本に影響があるのは鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置に限られるが、今後、保護主義的な通商政策の矛先が日本に向く可能性には留意したい。
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