サマリー
◆大和総研では、全国の104金融法人(都市銀行、信託銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、生保・損保)及び125の年金基金(厚生年金基金、企業年金基金、公的年金)を対象にオルタナティブ投資状況のアンケート調査を実施した。
◆本アンケートは2005年度の開始以来9回目となる。調査の実施期間は2013年10月1日から11月12日で、全国の年金基金(1,168基金)・金融法人(322社)を配布対象として、原則、郵送形式で実施した。金融法人については、市場金融部門及び経営企画部門から別々に回答を得ることで、投資家・発行体としてのスタンスの違いを区分けしている。
◆アンケートは全部で76項目にわたり、以下の分類で集計している。
- オルタナティブ投資全体・今後の年金運用・有価証券運用の方向性
- バーゼルⅢの実態調査、バンク・ファイナンス(コンティンジェント・キャピタル、カバード・ボンド)
- 再生可能エネルギー投資
- アジア・エマージング投資
- リアルアセット投資(不動産を除く)
- ヘッジファンド投資
- 不動産投資
- プライベートエクイティ投資
- クレジット・ストラクチャード投資(証券化商品等)
◆金融法人では、ヘッジファンドが7年連続減少する一方、REIT投資は大きく増加し、グローバル金融危機以前の水準近くまで回復したことが確認された。特に年金基金も含めて私募REITへの需要の高さが目立った。また日銀による異次元緩和の導入が加速させた大幅な円安進行を受けて、仕組債への投資が拡大基調にあった。
◆年金基金では、2012年末の安倍政権発足以来、アベノミクス効果による株式相場への期待から、伝統的金融資産へシフトする動きによりオルタナティブ投資が減少傾向にあることが確認されている。さらに改正厚生年金保険法の成立により、厚生年金基金制度の実質廃止を受け、基金解散後のポートフォリオを意識する意見も寄せられた。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
議決権行使助言業者規制再導入の検討開始
米国議会で議決権行使助言業者規制に関する公聴会が開催された
2025年05月13日
-
大和のクリプトナビ No.2 暗号資産価格のリターン・ボラティリティ・相関の特徴
過去のリターンは、将来のリターンに対する一定の予測力が存在
2025年04月15日
-
大和のクリプトナビ No.1 暗号資産価格の歴史的推移
需給の影響を受けやすく、足元では政策や機関投資家の動きも影響
2025年04月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日