金融法人及び年金基金におけるオルタナティブ投資・バーゼルⅢの実態調査

2013年度オルタナティブ投資アンケート結果

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2013年12月17日

サマリー

◆大和総研では、全国の104金融法人(都市銀行、信託銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、生保・損保)及び125の年金基金(厚生年金基金、企業年金基金、公的年金)を対象にオルタナティブ投資状況のアンケート調査を実施した。


◆本アンケートは2005年度の開始以来9回目となる。調査の実施期間は2013年10月1日から11月12日で、全国の年金基金(1,168基金)・金融法人(322社)を配布対象として、原則、郵送形式で実施した。金融法人については、市場金融部門及び経営企画部門から別々に回答を得ることで、投資家・発行体としてのスタンスの違いを区分けしている。


◆アンケートは全部で76項目にわたり、以下の分類で集計している。

  1. オルタナティブ投資全体・今後の年金運用・有価証券運用の方向性
  2. バーゼルⅢの実態調査、バンク・ファイナンス(コンティンジェント・キャピタル、カバード・ボンド)
  3. 再生可能エネルギー投資
  4. アジア・エマージング投資
  5. リアルアセット投資(不動産を除く)
  6. ヘッジファンド投資
  7. 不動産投資
  8. プライベートエクイティ投資
  9. クレジット・ストラクチャード投資(証券化商品等)

◆金融法人では、ヘッジファンドが7年連続減少する一方、REIT投資は大きく増加し、グローバル金融危機以前の水準近くまで回復したことが確認された。特に年金基金も含めて私募REITへの需要の高さが目立った。また日銀による異次元緩和の導入が加速させた大幅な円安進行を受けて、仕組債への投資が拡大基調にあった。


◆年金基金では、2012年末の安倍政権発足以来、アベノミクス効果による株式相場への期待から、伝統的金融資産へシフトする動きによりオルタナティブ投資が減少傾向にあることが確認されている。さらに改正厚生年金保険法の成立により、厚生年金基金制度の実質廃止を受け、基金解散後のポートフォリオを意識する意見も寄せられた。

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