2016年03月30日
サマリー
◆『ヒートテック』は、“インナーからファッションアイテムへ”と「再定義」されることによって、作る側にとってはトータルで物作りを考えるべき商品、着る側にとっては普段着として服装全体の中で活躍できる商品という特性を持った。
◆このことにより、『ヒートテック』は、ユニクロ(ファーストリテイリング)がアイテムごとではなく「服装全体で」大きなプレイヤーだからこそ享受できるスケールメリットを支える商品となり、グローバルな店舗網拡大ペースも相まって、急速に売上規模が拡大することとなった。
◆「新カテゴリー創出」というと、小回りやスピードの点で大企業不利と考えられがちである。しかし、『ヒートテック』の例のように、「再定義」を通じて自社の有利なように土俵を変えることは、大きなプレイヤーだからこそ可能な戦い方でもある。今、日本企業に求められているのは、新カテゴリーを戦略的に成長させることができる、「戦い方」のイノベーションである。
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