2016年03月30日
サマリー
◆『ヒートテック』は、“インナーからファッションアイテムへ”と「再定義」されることによって、作る側にとってはトータルで物作りを考えるべき商品、着る側にとっては普段着として服装全体の中で活躍できる商品という特性を持った。
◆このことにより、『ヒートテック』は、ユニクロ(ファーストリテイリング)がアイテムごとではなく「服装全体で」大きなプレイヤーだからこそ享受できるスケールメリットを支える商品となり、グローバルな店舗網拡大ペースも相まって、急速に売上規模が拡大することとなった。
◆「新カテゴリー創出」というと、小回りやスピードの点で大企業不利と考えられがちである。しかし、『ヒートテック』の例のように、「再定義」を通じて自社の有利なように土俵を変えることは、大きなプレイヤーだからこそ可能な戦い方でもある。今、日本企業に求められているのは、新カテゴリーを戦略的に成長させることができる、「戦い方」のイノベーションである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第3回 生産基盤としての耕地(1)
2025年09月05日
-
ROEの持続的向上のための資本規律の重要性
資本コストを真に意識した財務戦略への道
2025年05月02日
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第2回 異業種参入:持続的成長をもたらす戦略とは
2025年03月11日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
-
一部の地域は企業関連で改善の兆し~物価高・海外動向・新政権の政策を注視
2025年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年10月08日
-
政治不安が続くアジア新興国、脆弱な中間層に配慮した政策を
2025年10月10日