2024年07月12日
サマリー
◆新型コロナウイルスの感染拡大は、消費者のライフスタイルに大きな影響を及ぼすとともに、企業を取り巻く事業環境にも少なからずインパクトを与えたといえる。今後の企業戦略を各企業が策定するにあたり、コロナ感染拡大が及ぼした直接的な影響に加え、その間接的な影響も考慮する必要がある。ウクライナ侵攻の長期化等も踏まえながら、資源価格の高騰やインフレ、為替などのマーケット動向も勘案したうえで判断していくことになろう。
◆本稿では現在のアフターコロナ、もしくはウィズコロナ環境下において、上場企業が今後どのような戦略を採っていくのか、またそれを達成するための手段として「持株会社化」を選択した企業は何を狙っているのかを分析した。
◆2023年に持株会社化した企業では、多くは「経営(意思決定)のスピード化」をその目的として掲げていた。会社組織をフラット化し現場に権限を委譲することで、市場のニーズを迅速に捉え、意思決定のスピード化を企図している姿が伺われた。
◆持株会社体制はあくまでも組織形態の一つであって、持株会社化すればすぐに目的を達成できるというわけではない。大事なのはその組織を有効に機能させること、そのための仕組みづくりである。持株会社化はあくまでも手段であり、そこがゴールではない。仏作って魂入れずとならないよう、それぞれの企業が自社に合う運用(やり方)を模索し、持株会社化すると決断した際の本来の目的を忘れることなく、継続的に見直しや改善を進めていくことが肝要といえる。
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