2023年10月02日
◆2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードを受けて、取締役会の機能発揮および事業ポートフォリオにかかる基本方針・見直しがさらに注目される中、経営と執行の分離や事業の統合・切り離しを見据えて持株会社体制を選択する企業も見受けられる。持株会社の採用企業の数は1997年の法律改正による解禁後、増加傾向が続き、直近では全上場企業のうち約2割の企業が採用するに至っている。
◆持株会社体制に企業が移行する際、様々な目的を掲げているが、2022年に移行した多くの企業が、その目的の1つとして「コーポレートガバナンスの強化」を挙げている。本稿では、その取り組み状況を確認するため、取締役会の規模、独立社外取締役の比率および機関設計の変化にかかる集計と、事例の考察を行った。
◆持株会社体制への移行後、持株会社における取締役会のスリム化・独立社外取締役比率の増加などにより、経営と執行の分離や経営監督機能の強化がなされたことがうかがえる。さらに各社においては持株会社と中核事業会社の取締役・執行役員の兼任やグループ会議体の在り方などに独自の工夫がなされていることが見受けられた。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
持株会社体制の解消の意味を考える
近年の解消事例からグループ経営のあり方を見直す
2025年03月11日
-
経営統合のための持株会社化
~共同株式移転の事例から考える~
2025年02月14日
-
アフターコロナの企業戦略と持株会社化
~アフターコロナに持株会社化した企業の目的とは~
2024年07月12日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
よく読まれているコンサルティングレポート
-
アクティビスト投資家動向(2024年総括と2025年への示唆)
「弱肉強食化」する株式市場に対し、上場企業はどう向き合うか
2025年02月10日
-
退職給付会計における割引率の設定に関する実務対応について
~「重要性の判断」及び「期末における割引率の補正」における各アプローチの特徴~
2013年01月23日
-
中国の「上に政策あり、下に対策あり」現象をどう見るべきか
2010年11月01日
-
買収対応方針(買収防衛策)の近時動向(2024年9月版)
ステルス買収者とどう向き合うかが今後の課題
2024年09月13日
-
サントリーホールディングスに見る持株会社体制における株式上場のあり方について
2013年04月17日
アクティビスト投資家動向(2024年総括と2025年への示唆)
「弱肉強食化」する株式市場に対し、上場企業はどう向き合うか
2025年02月10日
退職給付会計における割引率の設定に関する実務対応について
~「重要性の判断」及び「期末における割引率の補正」における各アプローチの特徴~
2013年01月23日
中国の「上に政策あり、下に対策あり」現象をどう見るべきか
2010年11月01日
買収対応方針(買収防衛策)の近時動向(2024年9月版)
ステルス買収者とどう向き合うかが今後の課題
2024年09月13日
サントリーホールディングスに見る持株会社体制における株式上場のあり方について
2013年04月17日