岸田政権の「スタートアップ育成5か年計画」と東証の「IPOプロセスの見直し」

スタートアップ育成エコシステムへの期待

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  • コーポレート・アドバイザリー部 主席コンサルタント 小島 一暢

サマリー

◆2022年11月24日、「新しい資本主義実現会議」に設置された「スタートアップ育成分科会」において、「スタートアップ育成5か年計画(案)」とそのロードマップ(案)が示された。

◆同計画では、スタートアップは、「社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現する主体であり、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の考え方を体現するもの」と位置付けられ、スタートアップが生み育てられるエコシステムの形成が必要であるとされている。

◆こうした岸田政権の大きな方針を受けた形で東京証券取引所は、「IPOに関する上場制度等の見直し」を策定した。これには、「企業特性に合わせた円滑な上場審査(ディープテック)」、「新規上場プロセスの円滑化」、「ダイレクトリスティング・純資産基準の見直し」といった施策が含まれている。

◆スタートアップ育成のエコシステムが機能して、「社会的課題」の解決を使命にしたスタートアップがつぎつぎと出現し、日本経済の成長に寄与するようになったら素晴らしいことである。「社会的課題をビジネスにしてマネタイズすること」は簡単ではないが、今後の官民一体となった取り組みに期待したい。

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