人的資本の情報開示と健康白書

人材戦略を考える前に従業員の身体と心の健康の担保を

RSS

◆人的資本の情報開示が米国の上場企業と同様に、日本の上場企業にも求められるようになってきた。

◆人的資本への投資を考える上では、人材戦略が必要である。人材戦略に求められる要素として、人材版伊藤レポート(※1)では、①動的な人材ポートフォリオ、②知・経験のダイバーシティ&インクルージョン、③リスキル・学び直し、④従業員エンゲージメント、⑤時間や場所にとらわれない働き方、の5つを挙げている。いずれも重要な要素ではあるが、その前に、大前提として企業で働く従業員の健康が担保されていなくては、人材戦略そのものが成り立たないのではないだろうか。

◆従業員の健康増進に積極的に取り組む健康経営(※2)という概念が広がり始め、企業経営の中に、健康戦略を盛り込む企業も増えてきた。そして、この健康経営に積極的に取り組む企業の中には、従業員の健康増進に向けたさまざまな取り組みを健康白書という形でまとめて公表している。本稿ではその健康白書の事例を参考に、人的資本を検討する上での健康白書の有用性を論じる。

(※2)健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

関連のサービス