◎株主総会への対応
具体的な提案が社内の監査役会や取締役会などの審議を経て、承認される。場合によっては更なる検討を求められることもある。年末から年始にかけて制度設計の仕上げである。
従業員の人事制度改定ならば、労働組合への打診がある。同じように役員の場合は株主総会への提案、承認という手続きが発生する。3月末決算の企業の株主総会は通常6月である。われわれの実務も後半戦は、株主総会対策がメインとなる。
株主総会で承認されなくては、ことが始まらないからだ。投資家に理路整然と説明できる仕組みでなければならない。その内容は役員退職慰労金の廃止、役員報酬の報酬枠の変更、業績連動対応の仕組み、ストックオプションを実施するならばそれに関する事項など多岐にわたる。
多い場合であれば、役員報酬に関する議案だけで3~4つになることもある。あらかじめ5月の決算発表のタイミングで株主総会に付議する項目をリリースする。この時期からいわゆる事務方の作業は大変だ。
ミスは許されない。こちらも緊張の連続である。多くのプロジェクトの経験があるとはいえ、毎回新たな気持ちで臨むのが常である。会社が違うと当然株主構成も異なるし、議案の立て方、総会での質問の受け方も微妙に異なる。
役員報酬以外の議案も考慮しつつ、議案の順序にまで配慮する。社長が説明しやすい論理構成であるか、出席者にわかりやすい内容であるか何度も窓口の方とのやり取りが続く。最終リハーサルに参加を求められる場合もある。
同時に想定問答の最終仕上げにかかる。役員報酬に関してはおおよそ20~25項目の想定問答項目を用意する。それをたたき台に検討を行い削る項目、追加する項目を決定する。1項目ずつ吟味してようやく最終版が完成する。そして株主総会当日を迎える段取りとなる。
◎株主総会終了後も
株主総会が無事終了する。しかし、ここで終わりではない。各種の規定の改定作業やストックオプションを発行する場合はその手続きが始まるからである。退職慰労金制度の改定作業は株主総会終了後当日に行う。
ストクオプションを発行する場合は、株主総会で承認された内容を今後どのようなスケジュールで最大何個を発行するかをリリースしなければいけない。後日の権利付与の手続き向けた株価の公正価値の算定など各種の専門家が集まり、ようやく完結する業務である。実際に役員本人に付与されて終了する。継続的に行うストックオプションであれば次年度以降も同様の対応が求められる。
多くの人の知恵と労力、時間を割いて新しい役員報酬制度が動き出す。最終の報告を行い、ようやくわれわれも一息つくことができる。
完
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