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会社はなぜM&Aをするのか

2009年07月29日

M&A

間所 健司

今年4月から明治乳業と明治製菓が経営統合した明治ホールディングスがスタートした。また、最近ではキリンとサントリーの経営統合が大きな話題となっている。これらの経営統合の目的は何だったのか。明治乳業と明治製菓の経営統合のプレスリリースにあるように、既存事業の強化、新市場の創造、海外展開、コスト効率化など、競争力の強化と持続的成長を目的としている。


典型的なM&Aとは、他の会社を合併や買収を通じて取得し、企業規模を拡大することを目的とするものである。もちろん既に会社が保有している経営資源を利用して、新規事業の立ち上げや、シェア拡大を目指すのもひとつの戦略である。しかしながら、それにかかる時間コストや成否が確かでない事業をスタートするリスクがあるため、より確実な手段として、M&Aで外部の力により企業規模を拡大するという戦略を選択する傾向が強まっている。


M&Aで規模が拡大できると、理論的には規模の経済性が働き、経営資源をお互いに補完し合うなど、経営の効率性を高めることができる。いわゆるシナジー効果により企業価値を大きくすることにある。


最近では多角化を目指す会社は減少して、事業の「選択と集中」を進める会社が増えている。多角化戦略がまったく有効でないのかというとそうでもない。最近の多角化では、事業シナジーが発揮できる多角化、コア事業と関連性が高い多角化を進める会社も少なからずある。


会社は、M&Aに当たって、事前に自社と相手の会社の強み弱みを把握し、M&Aによる効果を測定し、その実現性を十分見極めて決断しなければならない。その一方で、実際には、十分な事前調査を行わずに、ライバル会社に先を越されないためとか、ともかくシェアを確保するためなど、勢いだけでM&Aをするケースも少なくはない。結局のところM&Aをすることが目的となっている。このようなM&Aは破たんするか、結果としてまったく効果が得られないM&Aになってしまうおそれは十分にある。


わが国では「対等な精神で・・・」というM&Aがいかにも多い。社内の融和を優先し過ぎるあまり経営のスピードが遅れ、統合効果を早期に発揮することが困難となる。経営者には迅速で有効な経営戦略を断行する力が必要となる。M&Aの成功には、統合効果の実現に向けたトップの強烈なリーダーシップが不可欠ということである。

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