物価迷走 ——インフレーションとは何か
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定価:
705円(税別)
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著者:
原田 泰/神田 慶司
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発行:
2008年11月10日発行
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発行所:
株式会社角川書店
内容
穀物や石油の価格の急激な値上がりが日本を襲っている。物価はこのまま上がり続けるのか?そしてインフレの懸念は?価格上昇のメカニズムから、海外の物価上昇の例などを元に未来を予測する。
目次
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序章
物価が上がるとどうなるのか
・インフレーションにおける物価とは何か
・物価が上がると何が困るのか
・なぜ実感としての物価上昇率は高くなるのか
・なぜ物価が上がるのか
・本書の構成 -
第1章
原油価格はなぜ上がったか
・米国における原油価格の動き
・日本における原油価格の動き
・原油価格はどうやって決まるか
・原油価格は先物取引主導
・ドル価値の下落が原油価格を上げている
・穀物が上昇した構造的な要因
・鉄鉱石と石炭の上昇理由は原油や穀物と異なる
・資源価格の高騰は需給か投機か
・原油価格は上昇するのか?
・投機は現在の価格を上げるが将来の価格を下げる
・この章のまとめ -
第2章
資源価格と物価の関係
・価格に占める資源価格の割合
・原油が2倍になったときの価格上昇率は?
・原材料価格ほど消費者物価が上昇していない他の理由
・世界の中で、日本の物価上昇率は絶対的・相対的に低い
・物価は3つの要素に分けられる
・前年同期比で見ると明確
・第一次石油ショックで、なぜ日本の物価は上がったのか
・インフレを説明するのに重要な賃金の動き
・資源価格高騰の本質
・金融政策と賃金
・日本銀行の物価へのスタンス
・この章のまとめ -
第3章
インフレーションとは何か
・一般物価と価格の違い
・なぜインフレは悪いのか
・戦後日本の物価の動き
・原油高騰で上昇する消費者物価と下落するGDPデフレーター
・地域別にみた消費者物価
・資産インフレ
・インフレーションと為替レート
・インフレーションと金利
・物価を無理やりに抑えるとどうなるか
・この章のまとめ -
第4章
なぜインフレになるのか
・金融政策が物価を決める
・需給ギャップとインフレ
・貨幣数量理論
・貨幣数量理論は現実を説明できるか
・将来のマネーが現在の物価を決める
・マネーとは何か
・M1、M2、広議流動性とは
・マネーと物価の関係を国際的に見る
・どうすればいいのか
・マネーストックはどうしたら抑えられるのか
・マネタリーベースはなぜ重要なのか
・マネタリーベースとマネーの関係
・マネタリーベースを抑えることができる
・中央銀行の独立性
・この章のまとめ -
第5章
先進国のインフレ
・先進国も70年代、80年代には10%以上のインフレだった
・マネーの安定が物価の安定をもたらした
・物価と失業のトレードオフ
・日本では状況は異なっていた
・スタグフレーションの発生
・なぜスタグフレーションになるのか
・スタグフレーションは起きるのか
・EUの物価と金融政策
・ECBの共通金融政策はデフレをもたらすか
・この章のまとめ -
第6章
世界のインフレ
・ジンバブエのインフレーション
・物価が上がったのはマネーが増えたから
・なぜマネーが増えたのか
・チャドのデフレーション
・BRICsのインフレーション
・中国のインフレーション
・中南米のインフレーション
・この章のまとめ -
第7章
世界史の中のインフレ
・アレクサンダー大王の東征がもたらしたインフレ
・16-17世紀の価格革命
・第一次世界大戦後のハイパーインフレーションの経験
・ドイツのハイパーインフレ
・オーストリアのハイパーインフレ
・ハンガリーのハイパーインフレ
・ポーランドのハイパーインフレ
・チェコスロバキアはインフレにならなかった
・第二次世界大戦後ハンガリーのハイパーインフレーション
・日本の歴史上のインフレ
・幕末のインフレ
・日本の敗戦後の急激なインフレ
・この章のまとめ