「管理職務」というマネジャーの役割

マネジメント・アプローチによる「管理職務」についての考察

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  • 佐藤 翔

サマリー

◆コンサルティング・プロジェクトの実施において、筆者はコンサルタントとして多くの管理職の方にインタビューを行う。彼/彼女らに、「管理職としてどんな仕事をしているか?」という質問をすると言い淀んでしまうケースが多く見受けられる。


◆これは、彼/彼女らが、「管理職務」という役割を自覚していないことが理由ではないかとの問題意識から、本レポートではマネジャーの役割の1つである「管理職務」に着目し、「管理職務」の実態を解明するための考察を試みる。


◆まず、経営学者ミンツバーグの名著「マネジャーの仕事」を紹介し、過去、マネジャーの行動・役割についてどんな研究がされてきたのかを確認する。ミンツバーグのマネジャー研究は、マネジャーの行動分析が目的とされておりマネジャーの役割が非常に多岐にわたるものであるということが明らかにされているものの、マネジャーの専管事項である「管理職務」という切り口では言及されていない。


◆次に、本レポートの本題である「管理職務」とは何か、について考察する。ポイントは、「管理職務」が企業の事業規模拡大・人員増加により必然的に生じたものである、という視点である。事業が拡大するに連れて、必然的に業務に非効率が生じる。「組織の非効率を排除し、組織の力を引き出す役割」を担うのが「管理職務」であるというのが本レポートの結論である。


◆最後に、「管理職務」をマネジャーに意識づけるために企業経営者ができる取り組みについて検討を行い、本レポートを締めくくる。

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