大和総研の豊富な知識と粘り強い取り組みで実現した ミッションクリティカルなEC決済システムのクラウド移行

三菱UFJニコス株式会社様

三菱UFJフィナンシャル・グループのクレジットカード事業を担う三菱UFJニコス株式会社(以下「三菱UFJニコス」)は、各種クレジットカードの発行や加盟店様への決済システム導入の他、コード決済機能などが提供できるスマホアプリ向けクラウド型システム基盤の提供、払込票などを利用した収納代行や口座振替による集金代行など、キャッシュレス社会の実現に向けて様々な決済ソリューションを提供している。
大和総研は、2021年5月に、三菱UFJニコスの業務システムの共通基盤をアマゾン ウェブ サービス(以下「AWS」)上に構築。今回のプロジェクトでは、さらにEC収納代行機能とEC集金代行機能をオンプレミスからAWSに移行した。金融機関の利用を想定した高いセキュリティを維持しつつ、将来的な顧客の増加や、サービスの機能追加などにも迅速、柔軟な対応を可能にした。

お客様の課題

環境の変化にともなうシステム課題の拡大

三菱UFJニコスは、MUFGカード、DC、NICOSの3つのブランドを保有しており、ブランドごとにシステムや運用体制が分かれて存在している。
そのため、ソフトウェア/ハードウェア(以下SW/HW)の保守切れ対応時にかかるコストや、周辺システムのクラウド移行が進むにつれシステム接続性に関する課題も大きくなってきており、それらを解決するため、EC決済システムのクラウド移行が求められていた。
システム保守の観点では、システム構造や仕様といった知見が保守を長年に亘って担当していたベンダー内に多く蓄積し、属人化しているという課題も抱えていた。

選定の経緯

移行にともなう課題解決に最適な基盤としてAWSを選択

課題の解決にあたってはシステムコスト削減や、業容の拡大に対応できる柔軟なシステム構成変更を見据えて、クラウド化は必須と考えられていた。
既存機能の移植性が高く、既存システムで利用していたOracle DBの移行コストとリスクを総合的に評価し、AWSを今回のプロジェクトにおける基盤として採用した。
また、AWSは既に三菱UFJニコスで導入実績があったこと、先行して構築済みの共通基盤もAWSであったことも、導入の決め手となった。

先行するプロジェクトで大きな成果をあげていた大和総研をビジネスパートナーとして選定

同社では、本プロジェクトの遂行にあたり、AWSでの構築実績・知識が豊富で先行プロジェクトにおいて共通基盤をAWSに移行し成果をあげていた大和総研をビジネスパートナーに選定した。

三菱UFJニコス株式会社
プロジェクトマネージャー
戸澤 宣彦様

プロジェクト責任者の戸澤 宣彦様は大和総研をパートナーとして選定した理由を以下のように述べる。
「当社のクラウド導入に関して先行するプロジェクトで主要な役割を果たし、大きな成果をあげていたことが一番の理由です。私のグループではカード会員様向けのWebサービス基盤も担当していますが、Webサービスのクラウド化も大和総研の皆様に尽力いただき成功させることができました。提案内容やコストの面で優位だったことも理由のひとつです。また、信頼できる人間関係が構築できていたことも大きいです。」(戸澤様)

ソリューション

豊富な知識を持ち、粘り強く真摯に取り組む大和総研とのタッグにより、ミッションクリティカルなシステムのクラウド移行を実現

業務の特性上、24時間365日稼働しているEC決済システムは、長期の移行作業時間が確保できない。そのため、移行方法については慎重に検討・対策を実施した。

三菱UFJニコス株式会社
アプリケーション開発リーダー
内堀 美奈帆様

「EC決済システムは24時間365日稼働のシステムであり、移行に伴い、本システムを利用されているお客様は当然ですが、社内の業務にも影響を出せない状況下で、AWS化に伴う制約や課題が出てきた際の対応検討は苦労しました。最初は双方の温度感が合わないこともありましたが、ディスカッションを重ねていく中で、お互いの思いを擦り合わせながら対応できました。
今回のプロジェクトでは、本システムを利用されているお客様や社内業務のフローなどを変更してはいけないという制約がありました。初めて本システムを担当した大和総研の皆様には、担当者の方だけではなくリーダークラスの方まで真摯に取り組んでもらい、無事に移行させることができました。また、最終的にシステム構造や仕様について、ドキュメントに纏めてもらったのも有難かったです。」(内堀様)

株式会社大和総研
アプリケーション開発部門リーダー
川村 宇史 次長

「切り替えに際して、業務影響を出さないために、リスク、スケジュール、コスト面を含め数々の案を検討しました。EC決済システムは24時間365日稼働するシステムであり、短時間の移行期間しか確保できません。複数案検討の結果、当社が推奨したデータ同期SWを使用し移行する案を採用したことで、移行時間の短縮、検証時間の確保ができました。その結果、システム移行を問題なく完了することができました。」(川村)

株式会社大和総研
インフラ部門リーダー
竹村 正秋 次長

「既存システムの仕様が明文化されておらず、システム機能の移行に苦労しました。元々当社はEC決済システムの保守運用に関わっておらず、保守を担当していた既存システムベンダーの元に足しげく通いました。既存ベンダーへの確認と並行して幅広く資料を読み込み、画面を実際に操作するなど、地道な作業を通して、既存システムへの理解を深めることが出来ました。」(竹村)

ソリューションの成果

コストの圧縮、保守運用性の大幅な向上

三菱UFJニコス株式会社
インフラ開発リーダー
山田 佳史様

「今回のソリューションの成果の一つ目は、当初の目論見通り、コストを適正化できたことです。オンプレミスと比較し、ランニング費用を圧縮することができました。
二つ目は、共通SWの採用、最適な機能配置、当社内の共通運用基盤への移行を実現したことで、特定ベンダーの製品に縛られることなく、サーバ台数の削減が実現できました。これにより、運用負荷が軽減しました。
三つ目は、システム構造や仕様のドキュメントを充実させることで、長年の課題となっていた可視化と属人化防止が実現出来たことです。
四つ目は、基盤を共通化したことで、AWS移行済みの他システムと同じ運用を適用して、社員の負荷軽減に成功したことです。
共通運用になったことで、他システムと評価軸を合わせて、システムのリソース情報やアクセス傾向など評価できるようになったのは大きなメリットだと感じています。コロナ禍による影響もありましたが、大和総研の皆様は献身的に当社のために貢献してくれました。」(山田様)

今後の展望

クラウドアーキテクチャを積極的に活用し、事業・サービスのさらなる高度化を目指す

三菱UFJニコスは、クラウドアーキテクチャを積極的に活用し、今後も継続的な業務効率化、運用保守コストの削減に向け取り組んでいく。

「加盟店様へのサービス提供を行うEC決済システムは、当社重要システムとして位置づけられており、絶対的な安定稼働を求められています。今後も、可用性を維持しながら、マネージドサービスを活用するなど、継続的に運用コストの削減や効率化に取り組んでいきます。
大和総研の皆様には、これから保守運用を担ってもらうことになります。クラウド環境の整備を通じて、ビジネス課題に対し積極的な提案を期待しています。早速、運用保守にかかるコスト削減に向けた協力を依頼したところです。また、他システムのクラウド移行にも協力してもらいたいと考えています。」(山田様)

株式会社大和総研
プロジェクトマネージャー
河上 昌弘 副部長

「今後も業務効率化、運用保守コストの削減に尽力し、三菱UFJニコス様のミッションクリティカルな業務を支えていきます。今回、既存オンプレミスのシステムをクラウドに移行したことで、基盤が共通化され、将来を見据えた攻めの準備が整ったと考えています。データの利活用や、生成AIの活用など、サービスの高度化に大和総研一丸となって、取り組んでいきます。」(河上)

大和総研は、今後も安定稼働に向けたさらなる業務の改善と効率化に取り組み、最新技術の検討・適用によるEC決済システムの発展に向けた活動を推進していきます。

※部署名・役職名はインタビュー当時のものです。

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