顧客に寄り添った利便性を引き継ぎ、より機能的にバージョンアップ
PayPay銀行株式会社様
日本初のインターネット専業銀行として展開するPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)。銀行でのFXの取り扱いやカード番号が変更可能なVisaデビットなど、“日本初”の取り組みを数多く手がけている。
同社は2008年7月に投資信託窓販サービスをスタートした際に、大和総研(旧大和総研ビジネス・イノベーション)の投信窓販システムSONARシリーズを導入。現在はインターネット取引システムからミドル、バックオフィスシステムまで全ラインナップをご利用いただいている。
今回、2017年に大幅なリニューアルを行った投信窓販インターネット取引システムSONAR-ICについてうかがった。
カスタマイズ機能を引き継いだバージョンアップを実現
大貫様「インターネット専業銀行である当社にとって、お客様との接点である画面は“顔”であり、妥協せずにこだわっていきたいという強い思いがあります。インターネット上でお客様がスムーズに取引を完結することができて、わからないことはすぐに解消できる状態を目指し、システムの改善を重ねています。また、高いセキュリティを保つ環境で、安心して取引をしていただくという点も重視しているポイントです。
こうした独自性を大事にしたい一方で、投資信託の分野は法改正などが頻繁にあり、個社のシステムで対応することは難易度が高いという面があります。そこで当社では大和総研の投信窓販システムSONARシリーズを2008年から利用してきました。
導入の決め手となったのは、定型でカスタマイズが難しいASP(※)が多い中、われわれのこだわりをある程度許容したシステムが実現できる点です。そして、2017年のバージョンアップでは、大和総研がお客様のニーズを取り込んで製品自体のレベルアップを行ったことで、銀行が抱える課題の解決に一歩前進しました」
※アプリケーションサービスプロバイダの略。業務アプリケーションを、ネットワークを通じ提供するサービス形式の総称。
古川「われわれのシステムはASPという共通型のシステムで、多くの銀行様で基本機能が同じシステムを使っています。その中で、PayPay銀行様が大事にされてきた独自性や利便性を、新バージョンでもそのまま引き継げるようにすることは、プロジェクトの重要課題と位置付けて取り組んできました。例えば、通常の投信窓販システムでは特定の時間にまとめて決済を行う時間定点処理が基本ですが、PayPay銀行様は即時決済できる機能を持っており、バージョンアップ対応においても当然この機能を引き継ぎました」
操作性が向上し、社内外から高評価
古川「今回のバージョンアップでは、画面全体のデザインと操作性を見直しました。ボタン操作や検索機能など、これまで頂いていたさまざまなご要望を参考にさせていただき、デザイン性と操作性を向上させました。また、旧バージョンのSONAR-ICにはスマートフォンの専用画面が無く、PayPay銀行様は他社システムを独自に導入されていましたが、今回スマートフォンでも最適な画面でご利用いただけるようにサービスを拡充しています。新バージョンのSONAR-ICの使い勝手はいかがでしょうか」
大貫様「検索機能が充実するなど、利便性が高まり、使いやすくなったと思います。『この機能をこう変えてほしい』と具体的な改善要望を直接くださっていたお客様もいらっしゃるのですが、今回のバージョンアップで実装した機能に対して、お礼のメールが寄せられるなどの反響もあり、大変うれしかったです。社内でも『前より良くなったね』と声をかけられることも多く、良い感触を得ています」
難しい課題にともに取り組んだことが強い信頼関係に
大貫様「バージョンアップ版SONAR-ICの導入にあたり、共通システムでありながら銀行側からの細かい要望について真摯に検討してくださったことに感謝しています。当社は、『ボタンの位置はなぜここか』『なぜこの画面に遷移するのか』といった使い勝手にも細かくこだわるため、ご苦労をおかけしたのではないでしょうか」
古川「一つ一つの機能において、要件をしっかり把握し、腹に落とさないと先に進めないというのがPayPay銀行様の特徴だと私は思っています。ネット専業銀行はシステムが命です。厳しいご要望にもしっかり取り組んでいかなければ、と気が引き締まりわれわれも大変やりがいを感じています」
大貫様「当社からもさまざまなリクエストをさせていただいていますが、大和総研は『それはダメ』とか『できない』とは言わず、『こういう方法ならできる』と粘り強く一緒に考えてくださることが心強いです。法令対応のような必ずやらなければいけないことをお任せできる安心感はもちろんのこと、その上でプラスアルファのことに挑戦してくださるという期待と信頼があります」
今後もシステム全体のレベルアップを目指して連携
大貫様「当社では、実際にお客様がどこで操作につまずいているかなど、ユーザビリティのチェックを行っています。そこから出た改善案なども随時お伝えしているので、今後さらに利便性が向上するよう、システム改善につなげていってほしいと期待しています」
古川「PayPay銀行様はネット専業銀行として先進の運用を目指されているので、いただくご指摘やリクエストは、他行様にも共通する課題として非常に参考になります。その一つ一つを積み重ね、システム共通のレベルアップにつなげていくのがわれわれの役目です。ご意見を参考にさせていただきながら、さらに良いシステムに成長させていくことを目指していきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです