大和証券向け基幹系システムへのオールフラッシュストレージ導入

大和総研プロジェクト

サマリー

  • 大和証券向け基幹系システムのストレージ装置に、オールフラッシュストレージを採用しました。

大和証券の基幹系システムで利用しているディスク装置の更改を捉え、オールフラッシュ型ハイエンドストレージを導入し、2017年10月に機器のリプレースを完了しています。これにより、記憶容量を従来比約1.5倍に拡張しつつ、ストレージ装置の設置スペースを約65%削減し、運用コストの抑制を図るほか、システムの信頼性や災害発生時などにおける事業継続性の向上を実現しています。

近年、IoT(Internet of Things)をはじめ、社会や企業活動の中で生み出されるデジタルデータは日々増加を続けています。こうした中、大量のデータを迅速に処理するため、データセンター等で情報を蓄積するストレージ装置の記憶媒体を、ハードディスクドライブ(HDD)から読み書き速度が速いフラッシュ媒体に切り替える動きが加速しています。
大和総研では、証券業界における大和証券グループの競争力向上を目的として、高性能・高品質・最先端の技術をいち早く取り入れたシステム開発を行っています。今回の基幹系システムへのストレージ導入は、2015年度からデスクトップ環境やプライベートクラウド環境へ段階的にフラッシュスストレージを採用することで運用実績を積み上げた結果となり、今後も品質の高いシステム提供を目指します。

オールフラッシュストレージ採用に向けた挑戦

製品選定に至る過程で、製品ベンダーから提供される情報をそのまま受け入れることなく、良いシステムを提供するためには、自ら導入機器を理解する必要があると考え、候補ベンダー3社の協力得て、当社独自のPOC(Proof Of Concept)検証を実施した上で製品を決定しています。

オールフラッシュストレージの導入効果

今回採用したハイエンドストレージは、搭載する記憶媒体のすべてにフラッシュ媒体を使用したオールフラッシュ構成とすることで高集積化を実現し、記憶容量を従来比約1.5倍に拡張しつつ、ストレージ装置の数を約60%、設置スペースを約65%削減しています。これにより、消費電力など運用コストの抑制を図ることが可能となりました。また、フラッシュ媒体は可動部品数が少ないため、ハードウェア装置の故障率を低減し、システムの信頼性を向上しています。さらに今回、災害発生時などにおけるバックアップ機への切り替え作業を自動的に行う設計とし、事業継続性のさらなる強化を図っています。

事業継続性の強化

今回、ディザスタリカバリ*1の強化を目的として、データセンターのうちメインセンター内においてストレージを二重化して設置することに加え、遠隔地に設置しているバックアップセンター内にも同様のシステムを構築して相互にデータ内容をコピーします。万一、ストレージの本番機に障害が発生した場合でも、システム全体の稼働を停止することなく、基幹系システムに接続するストレージがバックアップ機へと自動的に切り替わると同時に、バックアップセンター側の接続も切り替わり、データのコピーを継続します。また、メインセンターが被災した場合にも、基幹系システムとストレージの接続を含め、バックアップセンターでの速やかな業務回復を可能とします。

*1ディザスタリカバリ:自然災害などで被害を受けたシステムを復旧・修復するための備えとなる機器やシステム、体制。

本システムの概要図

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