米国発金融再編の衝撃
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定価:
1,800円(税別)
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著者:
武藤 敏郎・大和総研 編
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発行:
2009年4月15日発行 256p
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発行所:
日本経済新聞出版社
内容
G20首脳による金融サミットが再び開催され、各国の連携の下で早期に金融危機の終息と景気への打撃を最小限に食い止める努力が行われている。
振り返ってみると、この度の金融危機により世界最強と考えられていた米国の投資銀行を中心とする金融ビジネスモデルが壊滅的な打撃を受け、金融ビジネスが大きな転機を迎えることとなった。さらに、多くの金融機関が公的資本注入を経て、事実上国家管理におかれる金融機関も続出している。予断を許さない状況の終息する気配は今なお見られない。
したがって、現時点で書かれた本書は、金融再編の途中の記述に過ぎないものとなるが、バブルを導いた誘因について多角的な視点で掘り下げ、平易な説明を試みている。そして、金融サービス業がどのように今後変容を遂げていくのか。われわれは本書で金融再編後の収斂していく3つの姿を展望している。
目次
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はじめに
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第1章
マクロから見る金融危機
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第2章
金融再編が意味するもの
・パラダイムシフト
・投資主体への影響
・各国政府の対応
・金融安定化に求められるもの
・金融危機後の世界 -
第3章
レバレッジの拡大から「デ・レバレッジ」へ
・世界的に拡散した危機
・レバレッジの拡大の局面
・引き揚げる資金—デ・レバレッジへ -
第4章
米国発バブルの醸成と崩壊
・サブプライムローン問題を引き起こしたマクロ金融的背景
・証券化市場の膨張と崩壊
・「影の銀行システム」の盛衰 -
第5章
バブル崩壊の遠因—制度的な欠陥
・証券化とその会計
・時価会計は問題か
・格付機関によるCDOへの格付け問題
・金融規制の緩和と投資銀行ビジネスの変容 -
第6章
金融ビジネスの将来展望
・金融再編への方向性
・リスクの多様化と世界規模でのマッチング機会の拡大
・資本市場プレーヤーの再編 -
付録
金融危機を理解するための年表