「大停滞」脱却の経済学 デフレに勝つことが構造改革だ!
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定価:
1,600円(税別)
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編集者:
原田 泰(大和総研 チーフエコノミスト)
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発行:
2004年2月12日発行 B6版・255p
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発行所:
PHP研究所(電話03-3239-6257)
内容
この大停滞はいかにして生じたのか?誤った議論が横行する中、金融政策を綿密に分析することで、その誤りを正し、具体的提言を行う。
1990年代以降の「大停滞」については、金融政策の誤りではなくて、日本が構造改革に取り組まなかったからだという説が主流である。しかし、構造論者が、いつ、どのような構造改革を怠ったから日本の実質成長率が低下したのかという問いに、まともに答えてはいない。構造問題説とは、雑多で、内容のない、誤った議論の寄せ集めなのである。
本書では、むしろデフレから脱却することこそが、真の構造改革であると考え、金融政策の誤りがいかなる経路で大停滞をもたらしたのかを分析。金融政策とは金利を決める政策ではなくて、物価を決める政策であるという観点に立って金融政策の誤りを検証し、どのように金融政策の誤りをただすかを具体的に提言していく。
このままでは3000兆円の日本の富が失われてしまう!すべての原因は金融政策の誤りにある。間違いだらけの日本再生論を排し、徹底した実証分析による正しい処方箋を提示する。
目次
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はじめに
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第1章
1990年代以降の大停滞を検証する
1. 大停滞がもたらした巨額の損失
2. 何が大停滞をもたらしたのか
3. 大停滞の謎を解く -
第2章
大停滞は、なぜ起こり、なぜ続いているのか
1. これまでの財政金融政策を整理する
2. 80年代以降の経済変動を分析する
3. 98年の大不況はなぜ起こったのか
4. 銀行の機能はどれだけ重要か
5. なぜ日本銀行は金融政策を誤るのか -
第3章
実質賃金の高止まりは、なぜ不況を長期化させるのか
1. 生産が落ち込んでも実質賃金が下がらない理由
2. 実質賃金の上昇と実質GDPの低迷
3. 賃金破壊は何をもたらしたか -
第4章
ほどけない日本のシステムがもたらしている停滞
1. なぜお金が動かないのか
2. 資産の拘束と、ほどけない結び目
3. 銀行に都合のよい会計制度とその弊害 -
第5章
なぜアメリカの大恐慌は終わったのか
1. 大恐慌はなぜ起こったのか
2. 大恐慌を終わらせたメカニズム
3. 大恐慌がもたらした誤った改革 -
第6章
なぜデフレから脱却しないのか
1. デフレが続けば財政は破綻する
2. デフレを終わらせない本当の理由