日本・米国・中国の電子商取引に関する市場調査(2017)

  • 地域:日本・米国・中国

  • テーマ:産業調査

経済産業省による電子商取引に関する市場調査「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」を受託し、調査を実施した。本調査は1998年(平成10年)より毎年定点観測的に実施されており、弊社は2014年より4年連続で受託している。

【調査ポイント】
本調査は、次のEC市場における市場規模推計及び市場動向に関する調査である。
(1)国内BtoC-EC(企業-個人間のEC)市場
(2)国内CtoC-EC(個人間のEC)市場
(3)国内BtoB-EC(企業間のEC)市場
(4)日本・米国・中国3ヵ国間における越境EC市場
同省から公開される調査結果は多くの文献、資料、Webサイトで引用されており、我が国IT利活用の進捗に関する指標として用いられてきた。また、あらゆる業種のビジネス現場において活用され、我が国のEC発展、IT利活用の進展に大きく寄与してきたといえる。本調査はまさに我が国におけるEC市場調査のスタンダートとして位置づけられる権威のある調査となっている。

1998年の調査開始当初は、上述の(1)(3)に関する調査が行われていたところ、近年では国内のみに留まらず、国境を越える越境ECも対象とし、(4)にある通り、日本・米国・中国3ヵ国間の越境ECの市場規模推計及び市場動向調査が加わった。また、フリマアプリ等個人間のEC取引の拡大化に伴い、2016年度(平成28年度)より(2)にあるように国内CtoC-ECも調査対象に含まれることとなった。

【調査結果】
2017年の国内BtoC-EC市場規模は、16兆5,054億円(前年比7.5%増)。EC化率は、5.79%(対前年比0.36ポイント増)であった。また、物販分野における2017年のスマートフォン経由のBtoC-ECの市場規模は4,531億円増の3兆90億円(前年比17.7%増)となった。これは物販のBtoC-EC市場規模8兆6,008億円の35.0%に相当する金額である。

2017年の国内のネットオークションの市場規模を推計したところ、11,200億円となった。うち、CtoC-ECによる市場規模は3,569億円という推計結果になった。また2017年1年間のフリマアプリの市場規模を推計したところ、4,835億円となった。

2016年のBtoB-EC市場規模は、317兆2,110億円(前年比9.0%増)。EC化率は、29.6%(対前年比1.3ポイント増)であった。市場規模が拡大した業種は、上位順に「産業関連機器・精密機器」、「鉄・非鉄金属」、「卸売」、「輸送用機械」であった。

『日本・米国・中国3ヵ国間における越境ECの利用状況を調査・分析すること』に対しては、日米中各国間の越境取引によるBtoC-EC市場規模及びその将来推移の推計を行うとともに、各国消費者の越境ECにおける利用実態等を詳細に調査した。各国間の越境EC市場規模の推計結果は次に示す通りとなった。

日本の越境BtoC-EC(米国・中国)の総市場規模は2,570億円となった。このうち、米国経由の市場規模は2,327億円、中国経由の市場規模は243億円であった。

米国の越境BtoC-EC(日本・中国)の総市場規模は12,070億円となった。このうち、日本経由の市場規模は7,128億円、中国経由の市場規模は4,942億円であった。

中国の越境BtoC-EC(日本・米国)の総市場規模27,556億円となった。このうち、日本経由の市場規模は12,978億円、米国経由の市場規模は14,578億円であった。