工作機械サプライチェーン調査

  • 地域:中国

  • テーマ:産業調査

本事業では本邦企業が高い技術力を有する工作機械産業を対象に、国内外のサプライチェーン実態調査を通じて、サプライチェーン調査・分析手法を確立した。さらに、技術・ノウハウの保護における課題の発掘、国内サプライチェーンの強化に資する支援策を検討した。

2016年4月から2016年10月にかけて、「平成28年度製造基盤技術実態等調査(産業競争力上重要な技術のサプライチェーン把握に関する調査研究)」(調査委託元:経済産業省)を行った。高い技術力を有する国内製造業は、海外企業からの買収リスクや技術流出リスク、並びに自然災害によるサプライチェーン分断などのリスクが高い。これらのリスクに対し、国内製造業の発展や技術・ノウハウの保護の観点での政策支援の在り方の検討材料として、工作機械産業をケースとするサプライチェーン上の課題整理を行うことが、本調査の目的であった。

当調査では、まず工作機械産業の現状及び内在リスクについて、工学系、社会科学系の有識者へのヒアリングを行い、情報収集や調査の進め方についての指針を決定した。その後、国内の工作機械メーカーへのヒアリングを行い、工作機械メーカーの高い競争力を支える部品や技術に連なるサプライチェーンの現状及び今後の課題について調査を進めた。
また、近年、市場が拡大している中国の工作機械市場への日本企業の事業展開の実態をより正確に把握するため、中国に工場を有する企業の場合は中国の工場へもヒアリングを行った。

これらのヒアリング調査を通じた現状や課題を分析した内容については、当初の調査方針の決定と同様に、工学系、社会科学系の有識者からのフィードバックを受け、最終報告書として取りまとめた。

最終報告書と並行し、当調査で対象とした工作機械産業の調査手順をまとめた。このような調査手順書を作成することで、今後、他産業での同様の調査・分析が効率的に行えるものと期待される。