日本・米国・中国の電子商取引に関する市場調査(2016)

  • 地域:日本、米国、中国

  • テーマ:産業調査

国内の電子商取引(以下、EC)と、越境ECのさらなる市場拡大に向けて、『我が国におけるECの現状を把握すること』及び『日本・米国・中国3ヵ国間における越境ECの利用状況を調査・分析すること』を主な目的とした。特に本調査では国内のEC調査において、ネットリユース(CtoC)の市場を調査した。新規分野での市場規模を推計した点は特筆すべき特徴である。

2016年9月から2017年3月の期間に実施された「平成28年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(調査委託元:経済産業省)に関する調査業務の目的と内容は以下の通りである。

我が国のECを推進するための基礎的調査として、経済産業省では、我が国ECの黎明期である平成10年度から市場調査を実施しており、本年で19回目の実施となる。
市場調査による調査研究の成果は我が国IT利活用の進捗に関する指標として用いられてきた。また、あらゆる業種のビジネス現場において活用され、我が国のEC発展、IT利活用の進展に大きく寄与してきたといえる。

また、調査開始当初は、国内BtoC-EC、国内BtoB-ECの市場動向の把握及び市場規模の推計が市場調査の主な焦点であったが、近年では国内のみに留まらず、国境を越える越境ECにも注目し、日本・米国・中国3ヵ国間の越境ECの市場動向、市場規模(ポテンシャル規模を含む)、消費者の越境EC利用実態等を詳細に調査している。これらの調査に加えて、国内ネットリユース(CtoC)の市場規模推計を新たに行った。

2016年のBtoC-EC市場規模は、15兆1,358億円(前年比9.9%増)。EC化率は、5.435%(対前年比0.68ポイント増)であった。

2016年の広義(※1)BtoB-EC市場規模は、291兆170億円(前年比1.3%増)。EC化率は、28.30%(対前年比1.0ポイント増)であった。広義EC化率の伸びが堅調だった業種は、「食品」(前年比2.0ポイント増)、「輸送用機械」(前年比2.0ポイント増)、「電気・情報関連機器」(前年比1.7ポイント増)等であった。

2016年の狭義(※2)BtoB-EC市場規模は、204兆780億円(前年比1.2%増)に。EC化率は、19.8%(対前年比0.6ポイント増)。

狭義EC化率の伸びが堅調だった業種は、「輸送用機械」(前年比2.3ポイント増)、「鉄・非鉄金属」(前年比1.2ポイント増)等であった。

2016年の日本のネットリユースの市場規模は、ネットオークション市場のうちCtoCによる市場規模は3,458億円という推計結果になった。また2016年1年間のフリマアプリの市場規模を推計したところ、3,052億円となった。

『日本・米国・中国3ヵ国間における越境ECの利用状況を調査・分析すること』に対しては、日米中各国間の越境取引によるBtoC-EC市場規模及びその将来推移の推計を行うとともに、各国消費者の越境ECにおける利用実態等を詳細に調査した。各国間の越境EC市場規模の推計結果は次に示す通りとなった。

日本の越境BtoC-EC(米国・中国)の総市場規模は2,396億円となった。このうち、米国経由の市場規模は2,170億円、中国経由の市場規模は226億円であった。

米国の越境BtoC-EC(日本・中国)の総市場規模は10,415億円となった。このうち、日本経由の市場規模は6,156億円、中国経由の市場規模は4,259億円であった。

中国の越境BtoC-EC(日本・米国)の総市場規模21,737億円となった。このうち、日本経由の市場規模は10,366億円、米国経由の市場規模は11,371億円であった。


(※1)コンピュータを介したネットワーク上の受発注。全てのインターネット取引及びEDI、オンライン・アプリケーションの取引を含む。
(※2)インターネット上で行われる受発注。Webページ、エクストラネット及びインターネット上のその他のアプリケーションによる取引。