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新生児黄疸の検査・治療水準向上のための普及・実証事業

医療機器・理化学機器メーカー株式会社アペレ(埼玉県川口市)がJICAから受託した中小企業海外展開支援事業「普及・実証事業」にコンサルタントとして参加。同社が途上国向けに開発した新生児黄疸検査専用機器をベトナム農村部の公立病院に試験導入して新生児黄疸の早期診断・治療に対する効果を実証するとともに、導入先病院の医療従事者及び検査技師に対する研修を行い、同製品のベトナム国内医療機関への普及に向けた活動を行った。

地域:ベトナム テーマ:官民連携

2015年9月から2017年10月の期間に実施された「新生児黄疸の検査・治療水準向上のための普及・実証事業」(委託元:独立行政法人国際協力機構(JICA))の目的と内容は以下の通りである。

新生児に発生する黄疸(新生児黄疸)の多くは生理的な症状であり、生後数日程度で自然に消失する。しかし、血中にある原因物質が非常に高い値を示した場合、中枢神経障害を引き起こし、重い後遺症につながるおそれがある。また、成人の黄疸と同様、何らかの病気が隠れている場合もある。そのため、新生児黄疸の観察、検査、治療は新生児医療における重要な項目の一つである。しかし、医療水準の低い途上国においては、血液検査のための機器が不足するため、適切な診断を行うことができず、治療の遅れ、重症化につながる状況が見られる。

株式会社アペレ(埼玉県川口市)は、光を用いて物質を分析する光分析をコア技術とする医療機器・理化学機器メーカーである。同社は、新生児黄疸に関して途上国が抱える課題に対し、同社のコア技術を活用して小型・軽量、低価格の新生児黄疸専用検査機器(ビリルビンメーター)を開発し、販売してきた。

同社は、以前から計画していたベトナムへの製造拠点設置とともに、これまで販売実績がなかったベトナム国内市場を開拓することを目指し、JICAの支援を得て、同社製品の新生児黄疸の早期診断・治療に対する効果を実証し、普及につなげる活動を行うこととなった。なお、本事業は、2013年度に実施した中小企業海外展開支援事業「案件化調査」(当時は外務省事業)の成果を踏まえて実施したものである。

本事業は、ベトナム北部ホアビン省の保健局をカウンターパートとして実施した。同社の検査機器と日本メーカーの治療機器をセットにして同省農村部の公立病院に導入し、適時の検査、早期診断、早期治療の効果を確認した。あわせて、対象病院の医師・看護師、検査技師に対する研修を実施し、診断・治療に必要な知識の充実を図った。黄疸の発見に重要な役割を担う母親・家族を教育・啓発する活動も取り入れた。医師・看護師の人材育成に関しては、医療分野の国際協力に豊富な経験を有する国立研究開発法人国立国際医療研究センターの協力を得た。また、同社製品がベトナムの公立病院に導入されるために不可欠なベトナムの公的医療保険について情報収集し、必要な手続きに着手した。

大和総研は、「案件化調査」及び本事業を通じて事業全般の企画・立案並びに実施、各種報告書作成についてアペレ社を支援した。

検査技師に対する研修(2016年5月、ホアビン省総合病院)

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