NEDO国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証前調査(ベトナム国 工業用排水システム)

  • 地域:ベトナム

  • テーマ:官民連携

本調査は、本邦企業が持つ嫌気性微生物(グラニュール)を用いた省エネルギー型高濃度排水処理(EGSB)技術を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成26年国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」を通じて、ベトナム企業に提供するためのF/S調査である。

本調査は、経済産業省所管の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成26年国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」において、株式会社愛研化工機(本社:愛媛県松山市 下記参照)が行った実証前調査であります。本調査は、大和証券グループの関係先であったベトナム最大の製糖会社であるQuang Ngai Sugar JSC社(下記参照)のバイオエタノール工場新設計画に伴う日本の先端技術導入に対し、愛研化工機が持つ嫌気性微生物(グラニュール)を用いた省エネルギー型高濃度排水処理(EGSB)技術(※1)を紹介し、これが、NEDOの実施する実証事業の実証前調査に採択されたものです。大和総研では、紹介の橋渡しをするとともに、本実証事業の採択に向けて、愛研化工機に対し応募段階から支援を行いました。

NEDO国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証前調査(ベトナム国 工業用排水システム)

愛研化工機が持つEGSB処理技術は、排水処理施設での機器動力費の削減を通じて省エネルギー化を図るものです。具体的には、バイオエタノール製造過程において排出される高濃度排水を嫌気性微生物(グラニュール)によって浄化すると同時に、その処理過程で得られるメタンガスをボイラー燃料として活用するものです。本事業を通じて、現在ベトナム共和国で一般的に利用されている従来処理法(活性汚泥法)と比較して、排水処理(除去率)、メタン回収、安定運転、余剰汚泥量、省エネルギー効果等の面で改善が期待されます。水質汚染が社会問題となっているベトナムに日本の高度な環境関連技術を提供することによって、その解決を図りつつ、同時に海外における官民連携支援を図るものです。

愛研化工機は、国内で11件の本技術導入実績を持ち、海外事業での展開を進めているところであり、本事業を通じて、ベトナム社会主義共和国はもとより、エネルギーや水資源の有効利用を喫緊の課題として掲げるASEAN各国地域等に対して、積極的な営業活動を展開し、本技術の適用拡大を目指してゆく予定です。

■株式会社愛研化工機について
本社:〒791-1125 愛媛県松山市小村町353番地6号 TEL:089-963-4611
代表者:代表取締役 岩田 真教
資本金:1000万円
創業:1982年10月

■Quang Ngai Sugar JSC社について
会社名:クアンガイ製糖株式会社(Quang Ngai Sugar JSC)(大和総研の関係会社である大和企業投資株式会社が出資していた)
所在地:2 Nguyen Chi Thanh street, Quang Ngai City, Quang Ngai, Vietnam
代表者:ボー・タン・ダン会長兼CEO
資本金:117,513,300万ドン(邦貨換算約65億8,100万円)
設立:2005年
事業内容:砂糖、豆乳、地ビール、菓子等の製造販売


(※1)嫌気性微生物を用いた、省エネルギー型排水処理法。通常、活性汚泥法では処理が困難とされる高濃度排水処理の対応や、機器動力費削減、余剰汚泥削減、小スペースでの設置等に大きな特徴を持つ。