日本・米国・中国の電子商取引に関する市場調査(2015)

  • 地域:日本・米国・中国

  • テーマ:産業調査

本調査は経済産業省より受託し、2015年の電子商取引(EC)に関する市場調査を行った。具体的には、「国内のBtoC(企業対消費者間取引) およびBtoB(企業間取引)のEC市場規模推計、業界動向」に加えて「日本・米国・中国3ヵ国間における越境ECの市場規模推計、業界動向」に関する調査を行った。

電子商取引に関する市場調査(委託元:経済産業省 期間:2015年9月~2016年3月)においては、国内の電子商取引(以下、EC)と、越境ECのさらなる市場拡大に向けて、また、ECを巡る環境変化及び新たなビジネス潮流の把握を踏まえた本邦企業によるEC戦略立案の支援に向けて、『我が国におけるECの現状を把握すること』及び『日本・米国・中国3ヵ国間における越境ECの利用状況を調査・分析すること』の2つを主な目的とした。

『我が国におけるECの現状を把握すること』については、日本における企業間EC(以下、BtoB-EC)、消費者向けEC(以下、BtoC-EC)の市場規模及びEC化率を業種別に推計した。この調査を通じて、それら推計を行うとともに、取引対象物及びその商取引状況等の分析を行った。

2015年のBtoC-EC市場規模は、13兆7,746億円(前年比7.7%増)。EC化率は、4.75%(対前年比0.38ポイント増)であった。

2015年の広義(※1)BtoB-EC市場規模は、285兆7,510億円(前年比5.4%増)。EC化率は、27.0%(対前年比0.4ポイント増)であった。広義EC化率に関しては、伸びが最も大きかったのは、「輸送用機械」「広告」(前年比0.8ポイント増)、次いで「食品」「鉄・非鉄金属」「産業関連機器・精密機器」「電気・情報関連機器」(前年比0.7ポイント増)などであった。

2015年の狭義(※2)BtoB-EC市場規模は、201兆3,600億円(前年比6.7%増)。EC化率は、19.0%(対前年比0.5ポイント増)であった。狭義EC化率に関しても、同様に全般的な上昇が見られる。セグメント別動向も、概ね広義BtoB-ECの傾向と同様である。

『日本・米国・中国3ヵ国間における越境ECの利用状況を調査・分析すること』に対しては、日米中各国間の越境取引によるBtoC-EC市場規模及びその将来推移の推計を行うとともに、各国消費者の越境ECにおける利用実態等を詳細に調査した。各国間の越境EC市場規模の推計結果は次に示すとおりとなった。

日本の越境BtoC-EC(米国・中国)の総市場規模は2,229億円となった。このうち、米国消費者による市場規模は2,019億円、中国消費者による市場規模は210億円であった。

米国の越境BtoC-EC(日本・中国)の総市場規模は9,037億円となった。このうち、日本消費者による市場規模は5,381億円、中国消費者による市場規模は3,656億円であった。

中国の越境BtoC-EC(日本・米国)の総市場規模は、1兆6,398億円となった。このうち、日本消費者による市場規模は7,956億円、米国消費者による市場規模は8,442億円であった。

2019年までの推移を想定した越境EC市場規模のポテンシャルは、2015年と2019年を比較した場合、日本は約1.50倍、米国は約1.57倍、中国は約2.94倍の規模になると推計された。


(※1)コンピュータを介したネットワーク上の受発注。全てのインターネット取引及びEDI、オンライン・アプリケーションの取引を含む。
(※2)インターネット上で行われる受発注。Webページ、エクストラネット及びインターネット上のその他のアプリケーションによる取引。