平成24年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(ミャンマー進出検討企業等に関する基礎調査)に関する委託契約

  • 地域:ミャンマー

  • テーマ:投資環境

日系企業がミャンマー進出を検討する上で評価すべき点、ボトルネックとなっている課題や問題点を洗い出した。また、既に現地に進出済みの主要な日系企業および外資系企業について、文献調査やヒアリング調査等を行い、現地における網羅的な活動状況を把握するとともに、直面している困難や課題について分析した。

経済産業省より受託した「ミャンマー進出検討企業等に関する基礎調査」(調査期間:2013年1月~3月)では、日系企業のミャンマー進出状況と、今後ミャンマー進出を検討するに当たって直面する困難や課題、また、既進出企業が現在直面している困難や課題を把握することを目的として調査を実施した。

総じてミャンマーの場合、あらゆる領域の制度が整備中で、制度や規制の現状が不明な領域が非常に多い。このため分からないことそのものがリスク要因として捉えられ、分からないから説明できない、判断ができないとなり、結果として日系企業のミャンマー進出検討が否定的になってしまうという悪循環が生じている。この意味で、既進出企業の多くが進出理由として「リスク、課題が多いからこそ、同業他社進出前に先行優位をとれる」を挙げて、積極的にリスクを取りに行っている点と好対照をなしているとも言える。

また現地パートナーを選択する上で、米国の経済制裁対象になっている企業も多く、企業の基礎情報や財務情報なども乏しく、理想のパートナー企業を発掘することに苦慮している実情も浮き彫りになった。

日系を含む外資既進出企業が如何にしてミャンマーにおける事業活動をマネジメントしているのか、そして、どのようにして現地での課題を解決しているのかを調査分析した本調査の情報は、ミャンマー進出検討中の日系企業に多くの示唆を与えてくれるであろう。現地の制度やインフラの完全な解決を待つのではなく、ミャンマー既進出企業等の先人の知恵、工夫を参考にして長期的観点から事業を軌道に乗せるプロセスを踏むことを検討することも必要と思われる。